未来屋書店名取エアリ店

chakichaki2009-10-08

仙台空港の近くにあります巨大イオンモール内の未来屋書店です。久々に「この店はいい店だなぁ」と素直に感心いたしました。未来屋と言えば金太郎飴書店の代名詞としてよくも悪くも知られていますが、金太郎飴と言ってもこの名取エアリ店のレベルは相当なもので、ここまで到達できている店舗が逆にどれだけあることかと思える完成度の高さを誇っています。数ある未来屋書店の中でも、おそらくトップクラスの売上をはじきだしているのではないでしょうか。ということで、私がこの店で感心したポイントをいくつか紹介していこうと思います。

その1。MDの提案レベル
今、売れている中村佑介の画集を置くだけでなく、「夜は短し」など表紙で使用されているタイトルを集めてジャケ買い誘発を促すフェア。やれば面白い売場が出来るだろうと思っている全国の本屋さんはいっぱいいるでしょうが、実際にやっちゃうのが素晴らしい。こういうフェアは見ているだけで楽しくなってしまいますね。ビジュアルプレゼンテーションが上手です。

その2。壁面の使い方
未来屋書店の多くは天井高の高いイオン内にあるため、これまでの店舗では壁面棚の上部のデザインが単なるのっぺりした壁だったり、無意味に高く棚を設置したりと非常に苦労されていたようなのですが、この店のデザイン処理はすばらしかった。文芸書の上棚に全集が並んでいるかと思えば、旅行書の上部には大きな古地図がデザインされ、児童書上部は「どうぞのいす」や「からすのパンやさん」などの巨大絵本を展示してそのジャンルごとの売場世界観をうまく演出しているだけでなく、売場全体的にもぐるりと統一したボーダーをまわすことで高級感を生み出すことに成功しています。ボーダー上にはデザイン的にも洗練された非常にわかりやすいジャンルサインが設置されていて機能的な目配りも忘れていません。さらには主動線の突き当たり部に、MIRAIYAのロゴ入りの飾り棚が設置し、壁面のデザインにメリハリをつけることで、空間的にも変化に富んだ楽しい店を作ることに成功しています。

その3。すべての柱に販促モニター。
動線に面しているすべての柱に、モニターがついていました。モニター台数は10台以上あって、そのすべてで「さまよう刃」や「沈まぬ太陽」や「ペネロペ」などのPVが流れ、ポップと商品がしっかりと提案展開されていました。見事でした。

その4。キーワード付仕切板
ビジネスやコンピュータ、理工、人文書など、専門知識が必要な棚の仕切板にキーワード表が載っていて、スタッフが分類を間違えないように工夫されていました。これ、ウチにも欲しいです…。
広いお店でしたが、何周まわっても疲れない楽しい店でした。こんなによく出来た店ばかりなのだったら、日本中の書店が金太郎飴でも私は全然平気かもしれません。
総合評価85点。