青い鳥文庫ができるまで

青い鳥文庫ができるまで

青い鳥文庫ができるまで

『白浜夢一座がいく!』という架空の青い鳥文庫人気シリーズを一冊世に出すのは、どういうプロセスが必要なのか?を真正面から描いたノンフィクション風の児童小説です。ちなみにこの作品はこんな名前なのに、何と青い鳥文庫ではない!ので児童書の単行本読み物コーナーをお探しください。それを知らないと、僕のように児童文庫の棚の前で迷子になることになります。
さて、この作品。一冊の本をどうやって作るのか、きわめて詳細に取材をされて書かれています。99%がノンフィクション、なんだそうです(逆に1%はどの部分なんですか)。著者、編集者、校閲イラストレーター、デザイナー、広告宣伝、印刷、取次、書店の人まで勢ぞろいで登場しますし、『黒魔女さんが通る』の著者である石崎さんをはじめ、それぞれの職種の実在の方のインタビューがお話の合間に挟まれているのも特徴的ですね。ああ、こんな風に苦労して一冊の本が出来上がるんだ、ということがよくわかると思います。ここまでの細かい制作の舞台裏は本屋さんの人でも知らないですし、個人的には、自動的に校閲する『専用ソフトSt.WORDS』というものが講談社では活躍している話とか知らなかったのでそのへんは面白かったですが、かなり専門的なので児童書として受けそうかどうかはちょと分かりません。
あと、この本は、締め切りに追われながら、むちゃくちゃな進行で発売予定日ギリギリに何とか刊行を間に合わせる、というあらすじなんですが、書店的には、出版社はこういうギリギリの進行で本を作って店舗に新刊配本でばらまくのではなく、あらかじめ見本を作って書店からの受注数をとり、そのうえで印刷部数決めて満数出荷して欲しいという思いがあるなぁ。
まあ、この本の感想で言う話ではないんですけどね。