クレヨンハウス
売場 ★★★ 商品在庫 ★★★☆
商品提案 ★★☆ 独創性 ★★★★☆
システム ★ 総合評価 ★★★
青山シリーズ2番バッターはクレヨンハウスです。落合恵子さんが作った児童書専門店ですが、オープンしてはや四半世紀。作るのは簡単、でも維持するのは大変、というこの手の店では非常に長寿です。当時としては画期的な店でしたが、今はメガショップの児童書売場の方が、実は充実しているという身もふたもない冷酷な環境がこの店を取り巻いています。
そういう世の中に合わせたのでしょうか、クレヨンハウスは改装をおこなって、在庫を一気に減らしてしまいました。1Fの棚にぎっしり詰まっていた児童書もばっさりなくなって、児童書の図書館としての役割は終焉を迎えた観があります。
そうした中でも、クレヨンハウスが今なお輝きを失わないのは、本を売るという場であること以上にサロンとしての役割が強いからなんでしょうね。
1Fにオーガニックレストラン、2Fに育児のための木製玩具、3Fに女性のための本を置くだけでなく、自ら「クーヨン」まで発行して啓蒙活動をしています。女性のための社会事業としてのクレヨンハウス、であって、児童書専門店というのは、その一つの側面でしか過ぎないわけですね。
そうした意味で、本の売場としての完成度は正直、あまり高いとはいえません。ですがコミュニティの場としての書店という在り方もあるのだ、ということを教えてくれる本屋さんなのですね。これからも続いていってほしいと思います。