文教堂渋谷店

chakichaki2004-11-08

売場   ★★★     商品在庫 ★★★★

商品提案 ★★★     独創性  ★★

システム ★★★     総合評価 ★★★

今日は先月渋谷にOPENした文教堂渋谷店です。300坪だそうですが、不思議とそんなには巨大に感じない店です。
OPEN時には、トーハンの社長さまが挨拶に来られたそうです。文教堂にとってもトーハンにとっても気合が入っている店なのでしょう。取次から見捨てられていることについては自信のある私にとってはうらやましい限りです。ま、来られたら来られたで対応が大変なのですけれどね。そんなトーハンの支援体制もあって、配本には困ることはない感じです。これまたうらやましい限りです。
売場ですが、文教堂さんもがんばったんだよぉ、と思わずフォローを連発してしまう欽ちゃんが自分に憑依したんじゃないかと思ってしまうぐらい、努力は認めるんだけれども、しかし合格点には足らないんです、すみません!という感じの売場なのでした。
まず、1階ですが、ここは「談」ですね。三省堂書店がなくなってしまったことでマーケット的には手薄になったビジネス系の顧客をがっちりつかもうという戦略かと思われますが、残念ながら渋谷は浜松町でも新大阪でもなかった・・・。現段階では、渋谷の客層にはちょと合ってない感じです。「談」のスタッフは優秀なので、何とかしてくれるでしょう。
次に2階ですが。ここは「三省堂」と「文教堂」が混じってますね。文教堂書店は、三省堂のスタッフを大幅に引き抜いたそうですが、そのスタッフがこの店の人文書棚をつくっている印象です。全体で見ると愚直なまでに文教堂カラーに統一されています。文教堂ならではの隠し味は、郊外のスーパーマーケットを彷彿させるゆるーいBGMにもきいています。一瞬イトーヨーカドーに来てしまったのかと人を不安にさせてくれるこの感覚は、渋谷店にもきっちり継承されていて嬉しくなってしまいます。
2階にはカフェが併設されていますが、お客さんがだーれもいません。とても仕事がはかどりそうな静かなカフェは渋谷にはなかなかないので、ある意味重宝しそうです。ただし半年後にはかなりの高い確率でコミック売場に変わってしまっているような気もしますのでポイントカードとかは作らなくてもよいでしょう。
売上ですが、坪家賃2万円と仮定すると、大体予算は1億ぐらいで組んでるのでは?と思いますが、今は月商7500万ぐらいでしょうか。レジひまそうだし。
それにしても、私は売場があまりにもオーソドックスすぎる文教堂書店や宮脇書店は行っても全然楽しくないので好きではないのですが、でも業界3位なんですよね。この人気の秘密はなんなんでしょう?「なぜ人はジュンク堂に集まるのか?」という本がありますが、「なぜ人は文教堂で本を買うのか?」の方がずっと不思議です。誰か本書いてくれませんか?多分、文教堂でたくさん売ってくれるはずですよ。
文教堂×渋谷」というのは、例えて言うなれば「辺境×中心」「田舎×都会」「ブッシュ支持層×ケリー支持層」という、まさに「異文化コミュニケーション(大阪弁で)」と言える壮大な試みです。
啓文堂の渋谷店がOPENしたときも、今の形に落ち着くのは半年かかりました。半年先にどうなっているのか、その融合具合がたのしみです。
総合評価は60点。まだ「可」という感じでしょうか。