珍寺大道場

珍寺大道場

勿論、即購入です。なんで「お寺に行こう!」(id:chakichaki:20041107)のほうに珍寺のリストが入ってないんだろうと思っていたのですが、これを出すからだったのですね。感想はid:chakichaki:20050103に記載しました。
百年の誤読

百年の誤読

情報量が多くて、随分と読むのに時間がかかってしまいましたが、ようやく読了です。これは「文学賞メッタ斬り」に続いて、書評本の傑作です。すばらしかった。
帯にある「ベストセラーに良書なし?」は嘘だと思いますが、確かに時代が下るにつれてどうしようもない本がベストセラーになってる感があります。対談してるお二人も、最後のほうはものすごくやる気ないし。ただ、セカチューも含め、散々に貶されている本については、私も読もうとすら思わなかった本ばかりなので、ちょと安心しました。
意外だったのは、賀川豊彦とか永井隆とか、今では「聖人」的なイメージ先行している方の著書を読むと、実はトンデモという事実。これは痛快ですね。司馬史観に毒されているので、昔の人はみんな偉かったんだと無根拠に信じてしまいそうになりますが、そうでもないんだ、むしろバカだったんだ、というのが分かって勉強になりました。まぁ本当は自分で読まないといけないのでしょうが、今の書店人は古典を読むような暇はないのです。そりゃあらすじで読む本も売れるよなぁ。評価B+
恥ずかしい読書

恥ずかしい読書

最近本を読むよりも書評を読んでいることの方が多くなってきている私です。いかんです。でも永江朗だし、読んでおかないと。積読中。
SIGHT別冊 「日本一怖いブック・オブ・ザ・イヤー2005」 (別冊SIGHT)

SIGHT別冊 「日本一怖いブック・オブ・ザ・イヤー2005」 (別冊SIGHT)

斎藤美奈子の書評が載っているので購入してしまいました。もうキラーコンテンツですね、斎藤美奈子。後ろのほうには、併売率DATAから見た購入者の平均像がイメージ化されてます。これ「DATAWATCH」の続編ですね。また書評本を購入してしまいました。積読中。アンチ巨人だし、世代じゃないし、長嶋天覧試合とか言われても、と思い、敬遠してたのですが、よく考えたら、これまでの配本の中で一番古い映像になるんですね。
「百年の誤読」的に言えば、ベストセラーがバカっぽくなる1960年フォッサマグナの最後の「良心的な」年ということになります。
記憶に残った映像ベスト3
3位 皇太子ご成婚…日本中が祝賀ムード。本当に祝賀してます。今では有り得ない風景。おまけに新婚旅行が伊勢神宮橿原神宮…。美智子妃つまらなさそう…。
2位 こだま160キロ突破!…「こだま」といっても新幹線ではありません。新幹線ができる前の在来線特急でのスピード実験。狭軌で160キロはかなり怖い。しかも踏み切りまであります。確かに記録的。
1位 パチンコ東京で流行…パチンコ玉を一つずつ台に入れている!衝撃の映像。
仕事師たちの平成裏起業

仕事師たちの平成裏起業

彩図社の「裏のハローワーク」が相変わらず売れていますが、多分それのパクリ企画。とは言え天下の小学館が出しているので、勿論、上のレベルであるということを期待して購入。積読中。
セイジ

セイジ

日販のWWWプロジェクトで初の仕掛けタイトルらしいということで、新文化にも掲載されていました。初版3千部だったのを3万に増やしたのだとか。やるな日販。そういえば来年3月からNOCSもFENICS経由をついにやめて、一般のインターネットからつなげられるようになるのだとか。明日の王様のブランチでも紹介されるそうですが、売れるといいですねー。コメントPOPも何もついてないので、読んでみました。
帯にはオリオン書房ノルテ店のカリスマ書店員白川さんのコメントがついてます。

「身近な人、親しい人が悲しみに打ちひしがれ、苦しんでいる時、自分はどうすればよいのでしょう?無力感にさいなまれるか、他人の事として無視するか、どこにも解決の道はありません。この小説の「落ち」には「無茶だ」「ありえない」と批判もあるかもしれませんが、人の苦しみを見て、それを自分の事のように共有したい、その無器用さと一途さに、必ず胸を打たれるはずです」

えーっ!そういう話じゃないでしょう、これ。齢40男が感じる純粋だった少年時代に対するノスタルジー話ですよ。40以上じゃないと、共感できない話ですよ。
少年の心を持った著者の妄想分身であるセイジが、社会不適合者でありながら、それゆえに社会的な人間である現在の著者には持ち得ない何かを持っていて、その能力が人を救ったというおとぎ話が「セイジ」。
やはり少年の心を持った著者の妄想分身である竜二が、社会不適合者でありながら、最後にその存在を許されるというおとぎ話が「竜二」。こっちはやや泣けました。
基本的にはどっちも同じノスタルジーばりばりの甘っちょろい話です。しかしそれでは売れないのは明白なので、ノルテの白川さんは、ここで「泣ける話」として意図的に誤読をされているわけです(多分)。さすがにプロ、どう紹介すれば最大に売れるか熟知されてます。
「売るためには誤読も辞さない」。いい勉強になりました。詐欺っぽい気もしますが、売ってナンボの書店業。私も見習わないといけません。評価C+