タコシェ

外国人向けの日本の観光ガイドには、その濃さゆえに必ず観光名所としてピックアップされている中野のブロードウェイですが、その中でもひときわ異彩を放っているのがこのタコシェです。この店のマニア度は相当高いレベルにあります。マニアとオタクの違いについては、岡田斗司男がうまいこと言っていました。「アキバがオタクで、中野がマニアなんだよ」このタコシェに来れば、その言葉が実感できること間違い無しです。
この店はですね、すごいですよ。真似できない品揃えです。大体、棚に並んでいる本の半分ぐらいが、見たこともない本です。この店ではペヨトル工房とか幻堂出版とか青林工藝社とかが、メインの品揃えになります。ディープだ…。平台にいたっては8割がた見たことも無い商品で埋め尽くされています。タコシェに来るお客さんは、大抵この平台に何が置いてあるのか楽しみでやってきます。今日は何が展開されているでしょうか?
奥の平台は駕籠真太郎フェアでした。タコシェの中では比較的メジャーなほうでしょうか。しかし、置いている商材が半端なくレア。そこらへんの本屋で買えるものなどタコシェでは提案しません。まずは駕籠真太郎のサイン会の整理券つきの最新刊!

飛び出す妄想―駕籠真太郎因数分解

飛び出す妄想―駕籠真太郎因数分解

整理券の日付が2月26日になっていて、すでに2週間も前に終わったサイン会の整理券をもらってもしょうがない気もするのですが、そんなことはどうでもいいのです。フェアのメイン商材は、むしろこちら。一般書店では購入できない駕籠氏の自主制作本「印度で乱数」とフィギュアたち。
http://www1.odn.ne.jp/~adc52520/tuuhan/mokubaseme.htm
http://www1.odn.ne.jp/~adc52520/tuuhan/karasunohigai.htm
http://www1.odn.ne.jp/~adc52520/tuuhan/daruma.htm
ぐへぇ。スカトロ&死体…。駕籠真太郎初心者は、まずは傑作「輝け!大東亜共栄圏」などから入ったほうがよいかと思います。
次に入口側の手前の平台です。ここは自主制作本やミニコミ誌の山!そう、タコシェは一般に流通していないマニアックな商材ばかり集めている本屋なのです。そりゃ見たこと無いものばかりですよ。私はUA!ライブラリーの「妖女の奏でる夜想曲」を思わず購入。好美のぼる本ももちろん置いています。最高です。
http://www.junkmouse.net/uaga.htm#4
あと国学院大学の学生が書いたというSF超大作(ものすごく分厚い文庫本。でも100円)とか、夜想のDOLL特集にひもづいてとか積んでました。あと耽美系の死体の画集(誰のだったか忘れた)とか、タモリ倶楽部でやってた和のSMフィギュアとか、まぁそんなんばっかりです。平台の下にはTシャツとかも売ってますが、これ着て町歩くのはかなり勇気いるなぁ…。
と、まぁ中央線ディープサブカルチャーを象徴するようなお店です。ここと高円寺文庫センターが双璧かなぁ…。オタクとマニアの壁がどんどんボーダーレス化していて、マニア分布が著しく減少していくのを日々感じている私ですが、この店に来るとやはりマニアは強し、と感じ入る次第です。改めて発見したのですが、マニアの世界には「萌え」という要素はないのね。そこがアキバとの最大の違いか…。
私は結構書店の評価をする際は、商品よりも売場を重視しますが、この店ではなにぶん商品パワーが他店と比較して桁違いです。よくセレクト系の書店は「品揃えで勝負する」と言いますが、言い切るのであればやはりここまでやらないと、と思える究極の店ですね。総合評価?点。なんというか、ここはある意味書店を超越した存在なので正直言って評価不能。行った事のない方は一度はご訪問を。忘れられない店になると思います。(サイトはこちら)
http://www.tacoche.com/
やや!トレバーブラウンの画集が発売されるのですか、これは買わねば…。