明屋書店中野ブロードウェイ店
中野シリーズ第三弾は明屋の中野BW店です。明屋(はるや)書店は、東京には中野と五反田にしかありませんが、全国に90店舗ほど展開されている大きなチェーンです。明屋は愛媛県を中心に展開しているのですが、不幸なことに愛媛といえば私が日本で唯一行ったことのない県という個人的人跡未踏の地ですので、私の中での明屋書店といえば、やはり中野のそれなのでした。
しかし、気になるニュースが入ってきました。巨大なあおい書店が中野に出店してしまったため、明屋がそれに対抗して改装をするというのです。確かにOPENしてすでに30年以上経過していて、老朽化していることは否めません。でも私は、あの何ともいえない味わい深い木の什器が非常に好きだったのです。改装してなくなってしまったのでしょうか。どきどきしながらブロードウェイに向かいます。
明屋にやってまいりました。名物の派手派手装飾は健在!
明屋書店に行くと写真のように、天井にお花やら葉っぱやらが雛祭り前のお菓子屋さんのようにゴテゴテと飾られ、手書きの短冊POPがカラフルにつるされております。えー、最初に行った時は驚きましたが、この派手派手しい装飾が明屋のデフォルトなのです。私は「七夕書店」と呼んでおりますが、明屋の社長さん曰くこれをやることで売上があがるんだそうです。何とも形容しがたい雰囲気ですが、本当なのでしょうか。でも改装前に比べて量が減った気がします。なけりゃないで寂しいものですねぇ。
さて改装前と一番変わってしまったところといえば、在庫の幅でしょう。専門書分野は、あおい書店には絶対に勝てないので、思い切って在庫を減らしてしまったようです。うーむ。これで本当によかったのか?
二番目に変わってしまったのは什器がスチールになったことでしょう。中野の明屋の什器は独特の丸いフォルムで棚から前平台までが流れるように繋がっており、文庫棚の通路のまん中に立つと、潜水艦内部内部にいるような錯覚を覚える不思議な什器なのでした。壁面の什器は上の棚が前にせり出すように設計されており、高いところにあるのに取りにくくない、という斬新なデザイン。私はよく什器を新開発する際のヒントをこの中野の古い木什器からもらっていましたが・・・・・・・・・あぁ、あの愛すべき古い木什器は一つ残らず姿を消し、普通のスチール棚に、置き換わってしまっていました。非常に残念です。
個性的だった木什器の痕跡を変更されたスチール什器の中に探しましたが、見つけられたのはコミックの棚前平台のココだけ。
平台のくせにななめになっていて、差しもできるようになっています。たまに新古書店とかで見る什器ですね。これも、なんか微妙・・・。
総合評価65点。悪くはないんだけど、何かが足りない。すっきりし過ぎたのが原因でしょうか。前の方がよかったなぁ・・・。お客さんも心なしか以前より少なくなってしまったように見えますが、ブロードウェイの3階がまんだらけに占拠されないためにも、がんばっていただきたいものです。