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路上探偵事務所 (講談社文庫)

路上探偵事務所 (講談社文庫)

路上観察学会のメンバーでもある林丈二の昔の路上観察本の文庫化。マンホールの研究とか駅の点線の研究とかが面白そうで購入したのですが、いまひとつでした。「石の生命力」とか「転ばぬ先の吊り革」とか「犬の尾行」ってのは面白かったですけどね。ま、内容よりも15年前に出た本ということで、ところどころにほとばしる昔っぽさの方がたまりません。柿についての話のときに

名称だけなら「シブがき隊」というのが若い人達に脚光を浴びたりしてはいるが…

などとのたまう本なのです。東京から痰壺が撤去されてしまったことについて

最近の若い人をはじめ、駅のホームでも街中でも、タンツバを平気で吐き捨てる人をよく目にするにもかかわらず、痰壺がヒッソリと引退してしまったのは解せない

と嘆くのですが、私にとっては、公共のあらゆる場所に痰壺が設置されていたということのほうが解せないのでした。評価C−

The S.O.U.P. (角川文庫)

The S.O.U.P. (角川文庫)

「ぼくらは、「ゲド戦記」や「指輪物語」のような物語を作りたかっただけなんだー。」という帯のコピーにつられて購入したのですが、全然違う話。ネット上のサイバーテロリストVSハッカーの話で、石田衣良の「アキハバラ@DEEP」を5倍ぐらいDEEPにしたような話です。しかし面白さは5分の一ぐらいかな。勉強にはなりましたが。評価C
白いへび眠る島

白いへび眠る島

三浦しをん、面白いですね。初めて読みましたが、この話は伝奇ホラー+冒険小説みたいな話で、話自体はわりとありがちな話なんですが、描写がとてもうまくて読み入ってしまいました。ちょっと小野不由美的。評価B+
猿丸幻視行 (講談社文庫)

猿丸幻視行 (講談社文庫)

井沢元彦江戸川乱歩賞受賞作。昔はこのレベルで乱歩賞とれたんですね、と変な意味で感心する一作です。ハッキリ言って小説自体は下手い。面白いのはトリックの部分とグリル式の暗号解読の部分だけです。有名ないろは歌の暗号「とかなくてしす」ですけど、これ偶然じゃなくて本当に編みこんで作ったのだとしたら本当に天才ですね。いろは歌の作者は。評価C+
新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

ダ・カーポ」で司馬遼太郎特集をやっていて無性に読みたくなったので購入。ご存知日露の英雄、秋山兄弟+正岡子規の話なのですが、やっぱり抜群に面白いです。ところでこのダカーポの特集によると司馬遼太郎でもっとも売れた本は「竜馬がゆく」の2125万部。次いで「坂の上の雲」1475万部「翔ぶが如く」1070万部と続くのですが、ベスト20に「燃えよ剣」が入ってないんですよね。意外。というかリストから漏れてるんじゃないかと疑ってしまいます。だって「胡蝶の夢」にも負けちゃってるんですよ。本当なの?評価A