丸善心斎橋店

chakichaki2005-10-03

先月移転オープンしたばかりの丸善心斎橋店がなかなか面白いよ、という噂が流れてきましたので行ってみることにします。移転前の心斎橋の丸善は、心斎橋筋北側の人通りが減り、本町に巨大な紀伊国屋書店という競合店が出現し、おまけに夜になると店の軒先がダンボールハウス軍団に占拠されてしまうというかわいそうな事になっていたので、移転して正解だと思います。スタッフにとっても悲願だったのではないでしょうか。
さて、この店は心斎橋に新しく出来たそごうの心斎橋本店の中にあります。そごうが破綻した後、長らく閉鎖されていたのですが、ビルが建て直されてリニューアルされました。心斎橋のシンボル的存在だった百貨店だけに、行ってみるとすごい集客力。人がうじゃうじゃいます。ただしお目当ての丸善は12階にあるので、エスカレーターで延々と上り続けなければたどりつけません。遠いです・・・。ちょと遠すぎるのではないでしょうか。
ようやくたどり着きました。おー、すごい。このフロアはなかなか楽しいです。11階と12階は、心斎橋筋商店街と銘うちまして、店舗の外観がすべて和風に統一されておるのですね。江戸期の大坂の町並みを歩いているようで退屈しません。そごうのキャッチフレーズが「なにわ遊覧百貨店」となっているのも、なるほどこれは納得です。

そんなわけで、丸善もかなり昔風の店構えなのです。12階にたどり着くと丸善も文具・雑貨・書籍・洋書などの各ブースに分かれており、昔の町並みを模した廊下で結ばれています。ただ配置を見ると、明らかに主力商品は高級文具と高級雑貨。本屋は一番奥に押し込められていて、結構待遇が悪いですね。この本屋なのですが、コミックは扱われていません。まわりを見渡せば、平均年齢50以上の大人の百貨店なわけですからそんな低俗なものは置けまへん、ということなのでしょう。わざわざ「大人の図書館」と書かれています。
中に入ってみました。ありゃ?外装に比べてこの内装、えらく質感落ちてないか?ずいぶんギャップがあります。島什器のあたりなんかは、ちょと変わった什器を特注していて努力のあとは見られるのですが、問題は壁面。札幌の旭屋の紹介のときに、壁面の棚上の処理がその店の質感を決める、と書いたと思いますが、その処理がまったくなされていない!これはダメです。そのせいで中がなんだか平凡な本屋さんにみえてしまうわけなのです。この店の売上上位にランクされていた

モダン心斎橋コレクション―メトロポリスの時代と記憶

モダン心斎橋コレクション―メトロポリスの時代と記憶

によると、心斎橋の丸善は創業2年目に早くも開業した歴史のあるお店なのだとか。中身にもその風格を求めたいと思います。総合評価65点。