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昭和元年〜20年という随分な構成の1巻。主に戦争の映像が中心になるのですが、重慶爆撃とシンガポール爆撃、神風特攻隊の発進シーンは、初見。ただ、この時代に関しての映像資料は、ユーキャンが「昭和と戦争」というDVD8巻組の記録映像集を出したので、そちらのほうが断然内容が濃いです。
衝撃映像1位 シンガポール陥落。「マレーの虎」こと山下大将が、敵将パーシバルに対して言った有名な「イエスかノーか?」という名言ですが、実際は通訳に対して聞いた質問だったんだそうです。つまりパーシバルは俺の降伏勧告に対してイエスって言ってるの?ノーって言ってるの?という確認のための発言だったのですね。勇ましさ激減。主にGHQ統治下の戦後の混乱時期の映像。これを見ていると昔の国民は公を尊び、喜んで国のために尽くした、と言ってる小林よしのり有識者の方々は、昔を美化しすぎなんじゃないかと思います。昔はよかったっていうやつ。
衝撃映像1位 闇市と買出し列車。不勉強者の私は今まで大きな勘違いをしていたのですが、闇市というのは、公定価格より物資を安く売っているところだったんですね。逆だと思ってました。衝撃映像1位 鳥取大火。
衝撃映像2位 アナタハンの女王。日本の敗戦を知らずにアナタハンという小島に取り残された日本兵31名と女性1名。この31名の男たちによる女性の奪い合いが殺し合いにまで発展するというリアルバトルロワイヤル。この女性は救出されるまでの6年間で5人の夫を持つことになる。という話もものすごいのですが、その後映画化され(「アナタハン島ノ真相はこれだ」)その映画にこの女性が主演していたということのほうが衝撃的。ありえねー。色々な意味で戦後の日本を決定付ける重要な昭和30年。55年体制がスタートしています。
衝撃映像1位 砂川闘争。とその他基地反対運動。これはもっと教育現場で教えるべきだ。
衝撃映像2位 沖縄基地建設。タバコ代より安い価格で農民から土地を接収して基地化する米軍。沖縄県民の貧困層は、この時代なんとまだ裸足です!(靴が買えない)衝撃映像1位 北九州の石炭活況。石炭が売れに売れて、北九州では廃坑を掘り返したり、泥炭を川底からあさったり、ボタ山から泥炭を取り出そうとする「石炭ラッシュ」発生。今では考えられないです。鉄腕稲尾が活躍した西鉄黄金時代もあって、この時期は福岡が元気でした。美智子妃ブームの昭和33年は、経済的なニュースが多いと感じました。
衝撃映像1位 京浜工業地帯の煤煙公害。まだ公害としてそれほど認知されていなかった時代ですが、すさまじいスモッグ。1日1回掃除していても窓ガラスが真っ黒になってしまうというひどさ。
衝撃映像2位 神風タクシー。かつて東京にリアル「クレイジータクシー」が走っていたとは驚きです。対向車線から線路の上から歩道まで猛スピードで走ってます。こわいです。
その他フラフープとか、東京タワーとか三種の神器とか売春防止法とか、関門トンネルとか。