風が強く吹いている

風が強く吹いている

また陸上モノか、と思いましたが、「一瞬の風になれ」とは読んでみるとまるで別物。長距離と短距離って似て非なるスポーツですねということ以前に、そもそも素人集団が箱根駅伝を走るという物語自体がとてもファンタジーなので、部活モノのリアリティが全然ない。
でも小説の完成度とか、構成の巧さとか、キャラクターの書きわけ、とかは、さすがに直木賞作家だけあってとても上手で、なかなかいい話でした。主人公がイマイチなのが珠に瑕ですが、ハイジには憧れる。しかしなぁ、傑作かと言われると、秀作ですね、で止まってしまう作品でもあるように思います。今回の本屋大賞は、そういうのが多くて本当に混戦ですね。評価B