本屋の森のあかり(1) (KC KISS)

本屋の森のあかり(1) (KC KISS)

久世番子さんオススメの書店員少女コミック。舞台は丸善オアゾ店。岡崎の支店から東京の本店にやってきた三河弁のドジっ娘主人公は、東京のスピード感にとまどいながら、35歳独身の文科系メガネ男子の副店長に萌えてみたり、仕事はできるがいけすかない同期のイケメンとぶつかってみたり、姉御肌の先輩社員の仕事ぶりにあこがれてみたり、と王道も王道の少女マンガです。少女マンガ的には、おそらくこの後同期のイケメンが主人公のことを意識するようになって、メガネ男子の副店長に嫉妬してみたり、という王道な展開が待っているのでしょう。知らんけど。
作者の方は書店未経験だそうですが、取材をされて書いてあるので、比較的リアルな現場感が伝わってきます。ちなみにドジっ娘主人公がやらかしてしまった「違う種類の図書カードを同じ柄の包装紙で包んでしまって、どっちがどっちだかわからなくなり最初からやり直しになる」というミスは7年前、私も一度やらかしてしまったミスで、懐かしい気持ちになりました。それにしても書店で少女コミックが成立するとはなぁ…。そんなに憧れの職場とも思えないんですけど。評価B−
ブンブン堂のグレちゃん―大阪古本屋バイト日記

ブンブン堂のグレちゃん―大阪古本屋バイト日記

こちらはグ印でおなじみのグレゴリ青山さんが学生時代にバイトしていたブンブン堂という大阪の古本屋(実在)での思い出を書いたコミックエッセイ。古本屋を営業している個性的な人々や古本を蒐集している奇特なお客様の観察録といった趣の本です。一時東京堂さんのベストテンにランクインしてたんですが、読者層がなんかよくわかるなぁ。もちろん面白いのは、古本屋さんでの整理や買取の仕事、セリでの駆け引き、値付けや目録の作成などが、わかりやすくコミックになっているところなんです。新刊書店からは近くて遠い古本屋さん。なかなか勉強になった本でした。評価B