下流社会 第2章  なぜ男は女に“負けた

下流社会 第2章 なぜ男は女に“負けた"のか (光文社新書)

この本で言いたいことは、結局のところ「おわりに」と「あとがき」の数ページにまとまっているので、そこだけ読めばOKなのですが、それだけでは三浦展氏の、言いたい放題の統計漫談を楽しむことは出来ません。
しょっぱなの下流チェックからしてすでに暴走気味です。「石原慎太郎に心ひかれる」「中国や韓国はいやだと思う」だけで、あなたの下流指数はアップしますが、「実はロリコン気味である」までがチェック項目に入っているのには笑いました。無関係の写真に勝手にキャプションつける手法も健在ですし、今回はコラムという形で、統計とは関係のない三浦氏の私見も混ざっているので、「アメリカのスッチーは下流だ」とか「森永卓郎小林よしのりは二大下流知識人」とか「「FRaU」は負け犬女性御用達雑誌」とか言いたい放題です。かなり偏見が混ざってますなー、いや、それが面白いんだけど。
個人的に一番面白かったのは、第2章「SPA!男とSMART男」と第7章「踊る下流女の高笑い」。特に「SPA!」を読んでいそうな男と「SMART」を読んでいそうな男の対比を書いた第2章は、笑い転げました。何せ「SPA!」男の特徴がことごとく面白いほど自分にあてはまるのです。

SPA!系:雑誌「SPA!」の読者層と思われるタイプ。特に有能でも仕事好きでもないが、仕事をするしか仕方がないので仕事をしている。埼玉県の所沢あたりの平凡な郊外住宅地に父親が建てたマイホームで育った平凡な男性。ある程度オタクでロリコンでアイドル好き

うわ、これは私だ!

SPA!男の仕事観:「仕事は仕事、趣味は趣味というふうに割り切りたい」「上司や同僚から過小評価されているように思うことがある」「自分らしい仕事がしたい」「一生仕事が続けられるような技能、技術、スキルを身につけたい」「一生打ち込めるような好きな仕事を見つけたい」

うわ、これも私だ!

SPA!男の関心事:「パソコン、インターネット」「テレビゲーム」「温泉」「クイズ」

うわ、温泉好きまで当てられた!

SPA!男の外食:「マクドナルドと吉野家

牛丼並と卵が主食です。
いやー、自分がこんなにステレオタイプSPA!男だとは知りませんでした。SPA!、全然読んでませんが、これは逆に読んでみようかなという気になりました。いや、まあこの本の言うことを真に受ける理由は100%存在はしないんですが、SPA!男脱却(=下流脱却)目指して手始めに上流雑誌「大人のウォーカー」と「週刊エコノミスト」の定期購読でもはじめましょうか。