映画篇

映画篇

本屋大賞候補作。「映画」を背景にうまく絡ませながら、それぞれの人生、それぞれの事件がゆるやかにつながる短編集。
友へ チング」の劣化コピーのようだった第一話の「太陽がいっぱい」を読んだときは、あまりのつまらなさにこの先どうなるのかと思いましたが、二話、三話と読み進めていくにつれてどんどんレベルがあがっていき、「ローマの休日」上映会実現に奔走する最終話なんてあまりにもいいお話で涙ぐみました。終わりよければ全てよしです。とても素晴らしかった。
今年の本屋大賞候補作はレベルが高いですなぁ。本作品も昨年ノミネートであれば上位確定だったと思いますが、今年はこのレベルでもわからない。