八日目の蝉

八日目の蝉

私には、相性の悪い作家さんが何人かおります。角田光代さんはその一人で、私はこの人の書く作品を理解することが出来ません。そもそも何が言いたいのか、なんでこんな作品を書こうと思ったのか、これを読んで私はどうしたらいいのか、さっぱりわからないんです。
対岸の彼女」も途中で放り投げたんですが、今回も第一章の途中からはもうパラ読み。第二章は第一章よりはストーリーを追えたものの、やっぱりダメ。読むのがつらい。会話が成立しない相手と長時間二人っきりで一緒にいなくてはならず、無理に会話をつなげようとする、みたいに読むのが苦痛です。
当然今回の本屋大賞候補作の中では個人的にはぶっちぎりの最下位評価。この世界もこの感性も、まったく私には共感できるところがないのだからしょうがありません。ブランチの2007BOOK大賞を受賞するぐらいの作品ですから、こんなことを感じる読者は私以外には多分いないのでしょう。この作品を、全否定せざるを得ない自分が、とても残念です。