2008-02-14 ■ 悪人作者: 吉田修一出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/04/06メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 134回この商品を含むブログ (307件) を見る本屋大賞候補作。なかなかこれはすばらしい作品で、宮部みゆきの「理由」を読んでいるようでした。吉田修一というと、どうしても技巧的な文章が印象に残る方で、実際この作品も多分に技巧的ではあるのですが、今回はその技術を見せつけるのではなく、淡々としかも密度を損なうことなく、自分が書きたかった人間像を書ききっていて見事でした。あまり好きな作家さんではありませんでしたが、見直しました。 ただ、話の途中はこんなにも面白いのに、最後読みおえた後にその面白さが持続しない、あれれ、こんな終わり方なの?と思ってしまったのも事実。この作品は、最終章がよかったら傑作だったろうに、と惜しまれます。 ようやく本屋大賞のノミネート作を読み終えました。つらい一ヶ月だったなぁ。ようやく投票できます。