首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ)

2008-05-14 - 政宗九の視点で今年のインターネットで選ぶ本格ミステリ大賞の大賞受賞作品として紹介されておりまして、ミステリーフリークの中ではとても高い評価の作品のようなので読んでみました。
うむ。これは確かに面白いかも。横溝正史的な舞台背景に、京極夏彦的にバリバリの本格ロジック。市川崑がこれで映画を撮ったら傑作になりそう。
奇怪な殺人事件が三件起こるのですが、ものすごく複雑な事件に見えるのに、ある一つの謎が解けただけですべての謎がするすると解けていくというパズル攻略的な快感は見事。トリック自体は古典的なものですが、それを上手に組み合わせるとここまでの作品ができてしまうんですねー。感心。
ひぐらしのなく頃にと実は同じトリックがベースになっているということもあって、第一の事件までは推理できたんですが、第三の事件の真相は私の想像を超えていました。解決の糸口まではつかめていたのにくやしいなぁ。
最後は多くの方が指摘されているように蛇足。文庫化したら、この本はそれなりに売れると思いますので、その際は最後の部分は削ってしまってもよいのではないかと思います。