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アオイホノオ 1 (ヤングサンデーコミックス)

ヤングサンデーが休刊するという話を聞いて、ふーん、そっかーとか思っていたんですが、忘れてました。「アオイホノオ」はヤングサンデーだった！！
ヤングサンデーが仮になくなったとしても、この作品だけは無くなってもらっては困る！なぜなら、いまだに誰もがなしえていない80年代のマンガ時代史の総括を、これ以上の適任者はいないと思われる人が、最高の面白さで描いているんだから。
1980年春、大阪芸術大学に入学した焔燃（若き日の島本和彦）の自伝的ストーリー。漫画家を目指す自称天才の焔は、少年サンデーに彗星のごとく登場する高橋留美子、あだち充、細野不二彦らのマンガにショックを受けつつ、同級生の奇才である庵野秀明、山賀博之、南雅彦、そして先輩である矢野健太郎らに刺激をうけ少しずつ成長していく、という話。全員実名で登場するだけじゃなく、当時の彼らの原稿がそのまま転載されていて、もう面白いのなんの。冒頭に１ページまるまる使って思いっきりでかい字で「この物語はフィクションである」と書いてあるんですが、どう見てもノンフィクション。島本版「まんが道」です。
歴史に残る傑作誕生の香りがする今作を、本当の意味で純粋に楽しめる世代は、30代後半から40代だけのような気もするので、そもそもヤングサンデーじゃなく、別の掲載誌のほうがよかったような作品ですが、ともかくも、こんなに続きが楽しみなマンガはそうそうお目にかかれないので、必ず完結してほしいものです。