崖の上のポニョ


見終わった感想ですが、
「何だ?これは・・・??」
うーん、なんとも不思議な映画で、変としか言いようがありません。宮崎アニメの中でも超がつく異色作となるでしょうが、凡作駄作ではありません。なぜなら、観ていて面白いからです。いろんな意味で期待を裏切られます。映画館の観客の反応も観察してましたが、みんな同じような反応でした。
すなわち「理解できないけれど面白い」
ストーリーの骨組みは、ボーイミーツガールとセカイ系という、まるでライトノベルのような構造をしてはいますが、展開の脈絡の無さ、ストーリーの意味不明度合いは、ハウルの後半の展開どころではなく、目的や主軸がコロコロ入れ替わり、四年生ぐらいの小学生がお話を作ったら、こんな感じになるんじゃないかというような突飛な話です。つまりわけがわからないし、ストーリーやシーンごとの意味についてあれこれ考えることは無駄な気がします。
しかし、1つのシーンごとのディテールとインパクトはまさに圧倒的で、すばらしい出来栄え。その1シーンごとのイメージを楽しむ映画なのだろうと思います。極端な話をすれば、ストーリーとしてつながっているかどうかは、宮崎監督にとってはどうでもよくて、こういうシーンを撮りたい、というのが最初に強烈にあり、たまたまそれが集積して出来上がったのがこの映画だった、と考えたほうが理解しやすいかもしれません。
で、アリかナシかで聞かれたら、これはアリ。
あのサブリミナル効果付のあやしげな主題歌はエンディングテーマです。あの歌から皆さんが想像される映画とは、おそらく根本的に違うモノです。モノが違います。騙されちゃダメです。