風雲児たち

風雲児たち 幕末編 14 (SPコミックス)

風雲児たち 幕末編 14 (SPコミックス)

ついに大老井伊直弼(と、おまけで篤姫)が登場。この「風雲児たち」は、連載が始まったのが1979年。もう30年も続いている壮大な大河歴史マンガです。幕末の志士たちを主人公にしたギャグマンガ、のはずだったのに、幕末を描くには関が原から語らねばならないということで、延々と関が原以降の江戸時代をずっとマンガ化し、ようやく幕末にたどりついたのです。私の高校時代の歴史好きの友人が、井伊直弼のことが非常に大好きで、「「風雲児たち」に井伊直弼が出るのが楽しみだ」という会話を私と通学路でかわしたのがもう20年前のこと。彼は今でも「風雲児たち」を読んでいるでしょうか?
さて、今回は、普段書店で「風雲児たち」を買っているだけの方に、外伝のご紹介です。みなもと先生はコミケで「風雲児たち」の外伝を刊行されていて、通販でも買うことが出来るのです。ご存知でした?
http://fuunji.net/tuuhan/tuuhan2008huyu.html
もちろんクオリティは、商業誌単行本と全く同じレベル。「風雲児たち」ファンにはマストアイテムと言えるでしょう。
今回オススメしたいのは、その井伊家が徳川四天王になったきっかけである井伊直政のエピソードが書かれた「風雲児外伝12 日本武将伝」。この巻には「天地人直江兼続が主人公のエピソード「会津武将伝」も収録されていて、これが面白い。

そもそも関ヶ原徳川家康石田三成の合戦ではない!!
上杉百二十万石VS徳川二百五十万石の戦いだった、という説がある。
しかも徳川家康の真の敵は会津上杉家ではなく、その家老直江兼続であった、とさえ言われている

とにかく徳川家康をここまでコケにした人物は直江兼続ただ一人であった。
にも関わらず兼続と家康は一戦も交えず戦後も三十万石の所領を安堵され、兼続個人は何の処罰も受けていないのである

ご興味のある方はいかがでしょうか?この本以外もすべて面白かったです。個人的には佐賀藩鍋島家のことを書いた「宰相伝」、黒田官兵衛、長政の活躍と姫路城を作った池田輝政のエピソードが収録された「日本名城伝」がお気に入りです。