宵山万華鏡

宵山万華鏡

宵山万華鏡


モリミーの影響で、こないだ「電気ブラン」を飲んでしまったのですが、完全に酔っ払ってしまいました。アルコールに弱い私が、うっかり注文してしまうぐらいモリミーの小説に出てくる小道具は大変魅力的なものが多くて、そのネーミングだけで魅了されてしまうぐらいの破壊力があります。小道具の名前の使い方だけで勝負できる作家なんてなかなかいなくて、長野まゆみぐらいしか思いつきませんし、やっぱモリミーは偉大だと思う次第であります。今回も「孫太郎虫」と「金魚玉」が全編にわたって大活躍しており、特に金魚については金魚小説といってもいいくらい、存在感がありました。「超金魚」ってどんなんだよ。
ということで、ファン待望、モリミーの京都幻想小説の新刊です。祇園祭宵山を舞台に、前半は奇人変人が跋扈するいつものお祭り騒ぎ系、後半は結構ホラーテイストの連作短編になっております。
内容としては、チュンソフト「街」に、押井守の「ビューティフルドリーマー」を足した感じ、という表現が個人的には一番しっくりくるんですが、これ読んでる人でどれだけの人がこの比喩を理解してくれるでしょうか。一人もいなかったりして(笑)
一番面白かったのは、やはり「宵山金魚」と「宵山劇場」でしょうか。「偽祇園祭」のこのバカバカしさ、最高です。こういう大掛かりな仕掛けには憧れますねー。