新星堂書店ララスクエア宇都宮店

chakichaki2009-07-26

久々に書店巡りをしてきました。最近感じるのは、首都圏都心の店舗よりも地方の店舗のほうがレベルの高い売場をつくっているということで、今回は宇都宮市内を5店舗ほどまわったのですが、やはりなかなか面白い店が多い。
ということで、本日はJR宇都宮駅前にあります新星堂書店ララスクエア宇都宮店です。新星堂といえば、タワレコと並ぶ日本のCDショップ大手として有名ですが、実は書店もやっていたりします。中でも宇都宮店は、売場面積が500坪クラスの旗艦店ということでCDショップがやっている書店はどんな店になるのか前から見たいと思っていたのでした。
さて、仙台駅前を30%ぐらいに圧縮した感じのJR宇都宮駅西口をでますと、徒歩2分程度のところにヨドバシカメラのビルがででんと建っておりまして、そちらの5Fが新星堂となっております。
5Fまでエスカレーターで上りますと、左側が新星堂書店の店舗となります。かなり形のよい長方形の物件で、エスカレーター側壁面にレジがあり、主通路を「井」型にしているレイアウトです。「井」の真中下がレジ、中央に雑誌と実用書、右上がコミックと児童書、左下に文芸書、左が文庫、左上と中上が専門書、とざっくり言えばそんな感じです。この「井」型は、在庫収容力・回遊性・提案力どれをとっても非常に使いやすいレイアウトで、恵比寿の有隣堂など多くの書店で採用されているタイプ。周回通路を広くとって、そこに平台を集中させるのが特徴なんです。
では、まず右上の児童書から半時計まわりにまわってみましょう。
まず、児童書・コミック・ラノベについては、特に何もなし。普通の売場ではないかと思いますので、通過します。
次に専門書棚のゾーン。ここは微妙に変わっています。何が?って言うと、タイトル数があきらかに少ない気がするんですよ。ジュンク堂と同じような前平台無しのスラント什器を使っているのですが、中の陳列は正反対。ジュンク堂は棚の中までぎっしり在庫を1冊ずる詰めていますが、棚段数が5段しかなかったりする上に面陳を多用していて、下手するとスカスカに見えるか見えないかのギリギリを狙ってる感じの本棚になっておりまして、かなり在庫をしぼっていることが見て取れます。
これが、店舗の陳列方針によってわざとタイトル数を減らしているのか、在庫金額圧縮のためやむを得ずそうなってしまってるのか、ちょっと判断しづらいところですが、いずれにせよこの規模の書店でここまでやっているのは純粋に珍しい気が。
文庫棚までくるとさらにその傾向が顕著になります。

王様文庫はじめ教養文庫は上1段残して全部面陳になってしまってました!私も一度こんな風につくってみたいとは思っていましたが、実際にやるとこうなるんですね。なるほど。
文庫については、いろいろとこだわりがあるようで、陳列も完全著者別陳列になっていました。これもこの規模の店舗では珍しいですね。

文芸書の棚も同様に面陳ばかりになっていましたが、面陳しているタイトルとは別に、背表紙を上に向けて置いてある本が点在しており、ちょっと意味がわからなかったです。抜き取りピックアップ作業か何かの途中だったのでしょうか?
売場を一周してみてわかりましたが、文芸書・文庫の位置がエスカレーターの降り口側にあるのは、集客的に微妙ですねぇ。エスカレーターの降り口が逆になっていればよかったのですが。
それにしても面陳だらけ。この店はオリジナルで作成しているフェアの量がかなり多いですね。そして多いがゆえに、展開のレベルが非常にすばらしいものから、ただ単に面陳してるだけの手抜きのものまで結構バラバラなのはちょっと気になります。たとえば入口近くの鈴木光司のトイレットペーパー小説の展開なんかは、異様なまでに力が入っているし、穂村弘の「現実入門」を仕掛け販売している手書きポップのクオリティも素晴らしくて、つい買ってしまったぐらいのいい出来映え。反面レジ前のテーブル什器に積んである雑誌とかは、積んであるだけのものあってちょっと貧弱でしたね。
あと、「最後のパレード」がまだ売っていたのには驚き。「これが最後のチャンスです」ってポップ付で売られていました。さすがにどうかと思いましたが、これも思わず買ってしまった(笑)完全に思う壺。
全体としては、まあまあいい感じ、だけどやはりボリューム感が物足りない。総合評価70点。