ＳＦ本の雑誌

SF本の雑誌 (別冊本の雑誌 15)

本の雑誌の過去のＳＦ記事などを再編集したりして、１冊のＳＦ本ガイドになったのがこれ。
まあいつも思いますが、なにゆえにＳＦを語る人はＳＦじゃないものに対して、こんなに心が狭いのか（笑）
しかもそのＳＦかそうでないかの基準が全然明確じゃなくて、それぞれに持っている心の物差し（好き嫌いとも言う）で判断しているという、そんなＳＦ愛好家たちの心の狭さを存分に堪能できる本です。
そもそもまず冒頭でＳＦオールタイムベスト100決定会議とかをやってるんですが、いきなり全員で『夏への扉』はまず外す、あれはもういいとか言い出して、初っ端から一般ピープルは完全に置き去り。『十二国記』はＳＦだ！と強く主張する大森望のゴリ押しで、何と小野不由美が『火星年代記』より上位にきてしまったり、『涼宮ハルヒの憂鬱』がＳＦなのはわかるけどどう考えてもファンタジー小説としか思えない『アラビアの夜の種族』とか『グイン・サーガ』までがランクインしてたりと、このランキングはカオスで意味がわかりません。
そんなコアな対談についていけない一般読者には、初心者向け面白ＳＦを紹介するコーナーがあるので、そこがおすすめです。
北上次郎×大森望の対談なんですが、「理解できないＳＦは哲学」「面白くないＳＦは文学」そんなのは読みたくないから、読んで楽しいエンタメＳＦを教えてくれという北上次郎のわがままなオーダーに、大森望がこたえるような格好で話が進みます。そこで紹介されてたのがこちら。

宇宙消失 (創元SF文庫)

アイの物語 (角川文庫)

空の中 (角川文庫)

透明人間の告白〈上〉 (新潮文庫)

リプレイ (新潮文庫)

銀河英雄伝説 1 黎明編 (創元SF文庫)

マイナス・ゼロ (集英社文庫)

タイム・リープ―あしたはきのう (上) (電撃文庫 (0146))

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF)

時間衝突 (創元推理文庫)

面白そうじゃないですか。『銀英伝』と『空の中』と『タイム・リープ』は読んでるけど確かにあれはおもしろかった。
オールタイムベストのほうでも日本人作家最高の３位に入った『マイナス・ゼロ』をまずは読んでみることにします。