楽隊のうさぎ

楽隊のうさぎ (新潮文庫)

楽隊のうさぎ (新潮文庫)

「第一回新潮文庫感動大賞」とデカデカ書かれた帯にひかれて購入。
したのですが、これは完全にチョイスをミスりました。こんなに文章が読みづらい本は、これまでの私の読書人生の記憶にありません。多分ワースト3に入るのではないかと。
脈絡もなく急に飛んでいってしまう文章、前触れなくあらわれてすぐに消える変な比喩、情緒的で性格の書き分けのされない大量の登場人物、まったく伏線が回収されない会話。ダメだ。今いったいどういう話の流れだったんだっけ?とわずか1ページで陥ってしまう、この置いてけぼりの感覚。
何かに似てると思っていましたが、「不思議ちゃん同士の会話に入っていけない自分」というシチュエーションが感覚的には一番近いような気がします。このひとたち何の話をしてるのかよくわからない、会話もつながってないし…なのに、楽しそうにおしゃべりしてる、みたいな感じ。
でもですね、この物語がすごいのは、文章がこれほどまでに滅裂でありながら、最後に謎の感動を味わえるところなんですよ。なんで自分が感動してるんだかよくわからないというやつ。この謎の感動、伝わりにくいのですが、下の動画の見た時の感動と同じ種類のものと言えば伝わるかなぁ。
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