「ニッポン社会」入門

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

「ニッポン社会」入門 英国人記者の抱腹レポート (生活人新書)

昨日ご紹介しました比較文化論のお話の続きで、今日は、イギリス人から見たニッポンの変なところ、というのがテーマの本をご紹介します。
著者のコリン・ジョイス氏は、オックスフォード卒のイギリス人。92年に来日し、ニューズウィーク日本版やイギリスの新聞「テレグラフ」の記者をやっていて、今では相当な日本通です。来日したばかりのときの失敗談をさも面白おかしくユーモアたっぷりに語ってくれるところも面白いのですが、「え?そうなの?」と思わず目からウロコな話もあって、なかなか面白いです。2006年刊行とちょっと古い本なのですが、内容が古くなってると感じたところは皆無ですし、何よりも扱われている内容が本当に日常生活目線なので軽く読むことができるのも嬉しいです。下記は私が特にこの本でお気に入りの箇所。

  • 日本以外では決して見られない光景

プールで必ず守らねばならない休憩時間。ぼくの前にいる男性は、片足で立ち、反対の足を膝のところで曲げて、その足首を手でつかんでいる。そして頭を横に傾け、ピョンピョンと何度も飛び跳ねるのだ。この不思議な日本舞踊は、耳の中に入った水を出すものらしい。

おぉっ、この日本舞踊なら私もたしなんでおりますぞ。

  • 一番気に入っている日本語表現 「おニュー」

この言葉を初めて聞いたとき、ぼくは声を出して笑い、その日一日、この言葉について考えをめぐらせたものだ。英単語と日本語の丁寧語をかけ合わせるなんて!この言葉は初めて何かを使う時に感じる束の間の幸福感を見事にとらえているし、そこにはユーモアとアイロニーが同時に含まれている。しかも、短い英単語の前にたった一文字つけ加えるだけで、それだけのニュアンスを伝えているのだ。

深い、そこまで考えたことはなかったなぁ。

  • イギリスと日本は似ている!?

こう明言しても、重大な国家機密を漏洩したことにはならないだろう。「イギリスと日本は似ている」とぼくに言ってきたのはすべて日本人で、イギリス人はひとりもいない、と。一度だけ例外があるが、それはイギリス人の友人が、「イギリスと日本は似ている」という日本人のヘンテコな妄想を耳にしたことがあるか、とぼくに尋ねてきたときのことだ。

これ小学校の歴史の授業で「日英同盟」の説明のときに、なぜ日本はイギリスと同盟したのか?の理由で、先生がそう言っていたような気がするなぁ。イギリス人曰くこのヘンテコな妄想を、日本では実は学校の歴史の授業で教えてるんじゃないのか?

  • イギリス人が読みたがる日本のニュース

日本に来る前、ぼくが新聞記事を通して日本について知っていたことは次のようなことだ。日本人は、酒を飲むためだけでなく、不純物の混じっていない酸素や澄んだ山地で瓶詰めされた空気を吸入するためにバーに行く。メロンが一個五十ポンドもする。自動販売機で女性の使用済み下着が買える。
まったく、くだらないことばかりだ。

他の東京在住の記者に劣らず、ぼくも馬鹿げた記事をたくさん書いている。ぼくの署名が入った記事の中には、日本の人には見せたくないもの、記録から抹消したいものさえある。どうしてこんなことになってしまったのか。

政治や経済の話もニュースになりにくいのであれば、日本についての記事はいきおい「三面記事」的なものになるほかない。あるいは「キワモノ」記事とでも呼んだほうがいいだろうか。(中略)死傷者が相次ぐイラクの荒廃ぶりを二ページにわたって報じた後、その次にくるページとして、オーケストラを指揮するピカピカのロボットの写真以上にふさわしいものがあるだろうか

なるほど。道理で。
評価B+