横道世之介
- 作者: 吉田修一
- 出版社/メーカー: 毎日新聞社
- 発売日: 2009/09/16
- メディア: 単行本
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[BOOKデータベースより]
なんにもなかった。だけどなんだか楽しかった。懐かしい時間。愛しい人々。吉田修一が描く、風薫る80年代青春群像。
■この本を買っている人は、こんな雑誌を買っています。 「一個人」「ダ・ヴィンチ」「コーラス」「ku:nel」「文藝春秋」
丸 これは普通に面白かったです。
茶 気になるのは、この本を買った人はこんな雑誌を買っています、に何故か「コーラス」が入っていること。
丸 え?「コーラス」が入ってるんですか?私、「コーラス」も買ってるし「横道世之介」も買ったけど、何故なのかわからないです。
茶 「一個人」と「ダ・ヴィンチ」は分かるんだけどねー。
丸 読みやすいし、いいとは思うんですけど、巷の評価ほど、私にはこれをすごいとは思わなかったですね。私が女性でこれを共感できる年代ともずれてるっていうのもあるのかもしれないけど。やっぱり40代以上とかになると共感できるんですかねー?
茶 That’sバブル世代
丸 そう、完全にその時代の空気とか、こういう風に生きてたとか、とか入ってた。
茶 私は学生時代を思い出しました。
丸 あ、そうですか?
茶 あれ?思い出さなかった?全然そんなこと無かった?
丸 はい。
茶 それは意外だなあ。まあ私の学生時代には全然似てないんですけどね。ダンパとか、みんなで海に行ってクルーザーとか、そういう輝かしい感じは無かったですから。でも学生時代のあの貧乏な生活感はとてもよく似てました。ただ、主人公や作品自体については好きにはなれませんでしたが。
丸 あんまり共感出来るところがそこまで無いんですけど、それを超えるところで何かあったら、もうちょっとのめり込んだりできたのかなあと。文章はうまいんで普通に面白く読めましたけど、何かもひとつ心に響かなかった感じがします。
茶 やっぱ四十代じゃないと共感できないんですかね。
丸 これを読んだすぐ後に「悪人」を読んでしまったんですよ。そしたら「悪人」がめちゃくちゃ面白くて!もちろんあれも全く犯罪的には共感はできないですけど。あれを読んだあとだけ余計に比べると「悪人」のほうがいいなあと。共感とか、そういうのを超えた作品としての力と面白さがありました。すっごいあの作品は好きですね。
茶 それにしても、なぜ主人公はあんなラストになったんでしょうね?
丸 ねえ!しかもあんなにあっさりと。
茶 実際にああいう事件ありましたよね。あれを風化させないために書きたかったのかなあ?
丸 ちょっとラストは謎でしたね。実際にそういう人だったのか、わかんないですけど。
茶 あと、ラストのヒロイン宛の写真のエピソードで泣かせるのは、「ニューシネマパラダイス」のパクリでちょっとずるいと思いました。
評者 | 評価 | 予想 |
chakichaki | B | × |
maruruu | B+ | × |