植物図鑑
- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 単行本
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[BOOKデータベースより]
ある日、道ばたに落ちていた彼。「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?咬みません。躾のできたよい子です」「―あらやだ。けっこういい男」楽しくて美味しい道草が、やがて二人の恋になる―。書き下ろし番外編に加え、イツキ特製“道草料理レシピ”も掲載。
■この本を買っている人は、こんな雑誌を買っています。 「LaLa」「LaLaDX」「ダ・ヴィンチ」「LaLaスペシャル」「別冊マーガレット」
丸 これ「この本を買った人はこんな雑誌を買っています」のタイトルがめちゃくちゃ面白いですね。
茶 「LaLa」「LaLaデラックス」「LaLaスペシャル」(笑)
丸 まあ、こんな作品は、他に無いですよ(笑)。そんな私も「LaLa」好きで読んでるんですけど(笑)。
茶 完全に「図書館戦争」のコミック版から読者が流れてきてますね。
丸 あのー、有川浩さんは嫌いではないんですよ。私もコバルトとX文庫、ティーンズハートで育っているので。でもちょっとこれは、あまりにも・・・ちょっと(笑)
茶 あまりにも!(笑)
丸 あまりにも!(笑)都合よすぎるというか、ちょっと理解をこえるところが多いので…。素敵な人が転がってくるとか、女の子が好きなシチュエーション、とは思うんですけど…、なんだかねー。
茶 いいんじゃないの?婚活中の人とかこういうの最高なんじゃないの?俺、読んでてヒロイン?の男の子、イツキ君みたいな奥さんいたらいいなあと思いましたよ。そこらへんの雑草とってきてヘルシーな料理作ってくれて、こいつ最高やなあ、って。
丸 最高やけど、謎すぎるでしょ!(笑)
茶 苗字言わないとか?
丸 苗字言わない人とか、そんな人と本当に一緒には暮らせないですよ!いくら雑草とか採ってきてくれて料理してくれても。
茶 現実的だねー(笑)。でもみんなそういうのが好きだから、これ読んでるんじゃないの?
丸 いやいや、私みたいな考え方が全員とは言わないですけど、現実と夢の、なんだろう、夢っぽいけどちょっとこう、現実っぽい、そういうところがいいんですよ!もう、これ完全に夢じゃないですか(笑)!こんな人はおらんし、これは無理です(笑)これは絶対に無い!無いし、ヤバイ!(笑)犯罪に巻き込まれそう(笑)
茶 (笑)
丸 ああいう夢的なコバルトとかは、あわよくばこんなことが現実に起こったらすごく素敵!みたいな、そういう夢か現実かわからんなーっていうところを上手く突くのがいいんですよ。
茶 でも電撃文庫とかもこんなんばっかりですよ。空から女の子が降ってきて、次の瞬間には同居してるっていうのが男子の理想なんですよ。その男女ををひっくり返してるだけじゃないですか。
丸 まあ、そうですね。
茶 面白かったのが、男子向けの場合、空から女の子が降ってくるパターンとか、荷物が届いて空けてみたら中に女の子が入ってるっていうパターンとかでもそうなんですけど、次の瞬間には、その女の子がお掃除洗濯料理とかしているんですよ。
丸 はいはいはい。
茶 で、男の子はそれを「すげー!」って言って喜んで、それで終わりなんですよ。なのに、この「植物図鑑」だと、最初にルームシェアの契約の確認をするでしょ?食費は一日にいくらまでなら使っていいとか。
丸 うんうん。
茶 そこがすごく面白くてねー。男子向けのラノベだと、いくら女の子が空から降ってきて同居することになっても、「一ヶ月の食費はいくらいくらまでで」とか絶対に言わないんですよ。
丸 なるほど、そうですね。そこは現実っぽいんですね。
茶 そこが男性と女性の違うところなのかなあと思って感心しましたよ。完全に夢物語なのかもしれないけど、そういう生活感のある細かいところでは、やたら現実的なんだなあと。
丸 それにしても、本屋大賞には本当にきっちり有川浩枠があるんで、すごいですね。まあ、これよりは「フリーター、家を買う」のほうが私的には好きでしたけどね。暗い話ですけどね。
評者 | 評価 | 予想 |
chakichaki | C | × |
maruruu | B- | × |
(後編につづく)