新参者

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[BOOKデータベースより]
日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。

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 これは素晴らしかったですね。個人的には、今回の№1でした。
 ええっ!東野圭吾が苦手なchakichakiさんが、そこまで言うのは珍しいですね。
 めちゃめちゃ巧いです。一章一章ごとに最後にものすごく気の利いた一文が挿入されるんですが、その巧さにやられました。
 本当に巧いですね。
 それと、登場人物が、基本的に全員最後に幸せになる話が好きなんですけど、この話は本当に見事にそうなるんです。まあ、被害者だけは死んでるので幸せじゃないですけど。
 殺人事件で、人が死んでる話なんですけど、何だか心がほわっとする話なんですよね。
 あったかい話でしたねー。人情っていいなあっていう。
 ただ、この作品は今度のドラマ化で、阿部寛主演なんですけど、私の中では加賀恭一郎は三浦友和なんです。
 これだけ完成度の高い原作だったら、ドラマ化も余裕でしょうね。唯一難点をつけるとすれば、殺人事件自体は平凡な事件であることかなあ。
 いや、どの事件も平凡な事件なのに、それをつないでこれだけの作品にしあげる技術がすごいんじゃないですか。
 まったくその通りです。個人的には、歴代ミステリ作品の中でもかなり上位にランクインです。この技術はすごい。
 でも、これ読んでみようと思っている人は、もう読んでるんじゃないでしょうか。オススメはしようとは思わないなあ。
 確かにすばらしい作品でしたが、私も本屋大賞には推さないです。東野圭吾先生は本当に功労賞だってば。

評者 評価 予想
chakichaki A+ ×
maruruu A ×