ランキングコーナーについて 

クイズ 商売脳の鍛え方 (PHP文庫)

クイズ 商売脳の鍛え方 (PHP文庫)

昔話で恐縮ですが、私が学生時代に就職活動をしていた頃の話でいまだに覚えている面接を一つ。奈良県のとある書店さんの面接を受けに行ったときの話です。まあ、別にその面接は何の変哲もない普通の集団面接だったのですが、そこで受けた採用担当者の質問がちょっと面白かった。
「あなたが、このお店の売場の担当者だったとします。このお店にはランキングコーナーがあり、1位から10位までのタイトルが並んでいます。1位から10位までのタイトルは、うちのチェーン全店で同じと決まっていて、毎週本部からFAXで何をベストテンに入れるのか展開指示が届きます。その指示通りに売場を作り上げるのもあなたの重要な仕事の一つです。」
「ところが、ある週のFAXが届いてみると、2位のタイトルと8位のタイトルが自分の店に無いではありませんか。そうです、売り切れを起こしていたのです。しかしあなたはランキングコーナーを作り変えなくてはなりません。それが仕事だからです」
「さあ、あなたはどうしますか?選択肢は二つです。
A 本部の展開指示は無視し、2位と8位のランキングを別のタイトルで埋めて、ランキングコーナーを作り上げてしまう。
B 2位と8位の場所にタイトルを記入した上で「申し訳ございません。ただいまこちらのタイトルは売り切れております」というPOPを取り付け、ランキングコーナーを完成させる。
さあ、あなたならどっちを選ぶ?Aだと思う人?ではBだと思う人?」
集団面接だったので、みんながどちらを選んだのか、わかってしまったのですが、大変面白いことに、AとB選んだ学生は何と同数だったのでした。ちなみに当時の私も「え?これどっち?」と非常に混乱しまして、どっちを選んだのか覚えておりません。お恥ずかしいことに、学生時代の私には判断できなかったんですね。
さてさて、この面接において採用担当の方は、この質問で学生のどんな資質を見たかったのでしょうね?いまだにこの時の面接のことを思い出しながら「これ良問だなー」と一人回想にふける私なのでした。