職業柄、どこの書店が面白いですか?どこを見に行ったらいいですか?とよく聞かれるのですが、読書と同じで、書店にも人の好みというのがありまして、店に行って何を面白いと思うかは人それぞれなのであります。
まあ普通の本好きの方は、自分の好きなジャンルの品揃えだけを見て、その店のことを
「この店はわかっている」「この店は全然ダメだ」などと評価するものです。
それ以外に興味がないからです。
こういう方は岩波文庫置いてないようじゃダメだね、とか、最近Amazonでしか本買わないなーとか言ってたりします。
これが本屋好きになると、店の品揃えのセレクションだけでなく、空間づくりも含めた商品のプレゼンテーションが、上手かどうかが判断基準に加わります。
別にほしい本があるわけでもないのに好きな本屋をぷらぷらと歩きまわり
「この店は個性的」「POPがとっても面白い」「すごい棚の並べ方だね」とか言ってブルータスの本屋の特集を喜んで買ったりします。
とんがった店が大好きです。
さて、さらに好きが高じてくると、本屋好きをどうこじらせるか、が人によって変わってしまうのですが、
本の世界の深い海にズブズブと潜っていかれる方が一番多いように思います。
「もう、新刊書店じゃ欲しい本が見つからないんだ」ってなってしまった方の行き着く先は古書ハンターしかありません。
神保町界隈に棲息されてたりします。
本屋好きをこじらせてしまった結果、本好き仲間を集めて何か面白いことやろうぜ、と思いつく方もいらっしゃるようです。
イベントをやってみたり、フリーペーパーを作ってみたり、ツイッターフェイスブックで発信してオフ会したり、
と活発に世の中を動かされてたりします。楽しそうですね。私のような非コミュのひきこもりからすると眩しいかぎりです。
なお、このタイプでさらに重度にこじらせてしまうと、「自分で本屋やっちまおう」と独立開店されてしまう方もいらっしゃるようです。
さて私は、と言いますと、変な方向にこじらせてしまったようでして、
「この店の通路幅の取り方はうまい」
「この什器設計したの誰?天才的!」
「このレイアウトたまらん」
「この在庫管理はどうやってるんだ」と、書店を見る目が商業技術的な側面に異常に偏ってしまっております。
すごい少数派なんじゃないかと自分でも呆れております。