はじめの一歩100巻

はじめの一歩(100) (講談社コミックス)

はじめの一歩(100) (講談社コミックス)

はじめの一歩がついに100巻なのである。節目の巻だというのに一歩はまったく活躍せず、話は板垣VS冴木戦に木村戦に青木戦というサブキャラの地味なカードで終わってしまったんだが、一応表紙は一歩なのか。まあ100巻だからね。
僕が読み始めたのは、今から15年くらい前で、のちに僕の上司となる後輩が「このマンガはボクシング漫画としては『あしたのジョー』を超えましたよ」と強力にお薦めしてくれたおかげだったりする。以来欠かさず発売日に購入しているので彼には感謝だ。まあ、ボクシング漫画としてこれほど徹底して面白さを追求しているマンガは他にはなくて、100巻も続いているのに、なかなかマンネリにはならない森川先生の力量はすごいとしか言いようがない。でもさすがに一歩の国内戦はもうやらなくてもいいと思うけどね。
そういえばこないだ目黒のレストランで、森川ジョージ先生のアシスタントをしているという方の楽屋話を聞いたことを思い出した。
なんでも森川先生のアシスタントには、ものすごいベテランの方がいらっしゃったらしく、「レジェンド」と呼ばれていたのだそう。
「そのレジェンドが背景の絵を一切まかされていて、たとえば試合の観戦に来ているお客さんの絵とかを描いているんですけど、自分の好みで結構好き勝手描いてるんですよ。よく見たら観客席にドラゴンボールフリーザ様がいたり白木葉子がいたりするんです。で、先生はそれを見て怒るのかと思ったら、何も言わずにそのフリーザ様の上にわざとセリフのフキダシが来るようにレイアウトを指示したりするんですよ。いやー、先生VSレジェンドの静かなバトルが、実は試合内容よりも熱くて最高なんです。特に25巻あたりがそのバトルが熱いんですよー、背景よく見たら面白いのでぜひ探してください」
で、25巻を読んでみたのだが、何も見つけることができず、っていうかそもそも25巻は試合の話ですらなかった。もしかして担がれたのか。