戦後史の正体

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)

戦後史の正体 (「戦後再発見」双書1)

日本の戦後史は、アメリカからの圧力を前提に考察しなければ、その本質が見えてこない。元外務省・国際情報局長という日本のインテリジェンス(諜報)部門のトップで、「日本の外務省が生んだ唯一の国家戦略家」と呼ばれる著者が、これまでのタブーを破り、日米関係と戦後70年の真実について語る。

Amazonでずーっと、上位にランクインしてるので読んでみました。戦後史って複雑だし、意味不明な事件が多々あって、わけがわからない印象が強いのですが、この本を読んでストンと腹に落ちました。いや、これはまじで勉強になりました。
高校生は現代史の教科書はほったらかしにしてもよいから、こちらの本を読んだほうがよろしい。というか、高校の授業ではぜひこの本の内容を教えて欲しいですね。教科書よりはるかにわかりやすいんで。
まあ、こういう政治がらみの本は利害が対立する口が悪い人たちの間で、絶賛とこき下ろしの両極端評価を受けることが多いですが(この本も多分そうなってる)、陰謀史観だから、で片付けてしまうにはちょっともったいない本だと思います。
日本の政治はアメリカの意向で動かされている、というのは、外交の最前線は露知らない一般の日本人でも薄々とは気付いていることだと思いますが、ここまでとは!と衝撃をうける本です。今でも日本は占領後の「敗戦国」の地位を引きずったままなんですね。
中国からの国家レベルでの圧力が最近目立っていますが、アメリカのそれは、目立たないように裏側から行われているだけであって、中国以上におそるべき圧力をかけてきているという意味では、むしろこっちのほうが非道いんじゃないかと思った次第です。