書店員が教えてくれた人生で最も大切なこと

書店員が教えてくれた人生で最も大切なこと

「書店員」と名の付く本は、とりあえず目を通してしまう癖がありまして、この本も読んでみました。
えー、自分も書店員でしたが、人生で最も大切なことは、残念ながら見失ってしまったような気がしないでもなく、ましてや人に教えられるほどではまったくありませんし、教えてもらったこともないような気がします。というか人生で最も大切なことって何なんでしょう。
ということでこの本は、仕事とは?人生とは?を教えてくれる自己啓発書なのでありますが、著者は国際的なコンサルタント会社の創設者で、マイクロソフト、IBM、GE、フェデックス、ナイキなど国際的な会社で社員のリーダーシップ育成に関わってきた実績があるのだとか。
え?リーダーシップ?
そうなんです、人生で最も大切なことは「肩書きなしのリーダーシップ(LWT)」であるというのが、この本の主張。ものすごく簡単にまとめてしまうと、流されずに自分の人生に主体的になろうぜ、ということですね。時の流れに身をまかせ、あなたの色に染められ、一度の人生それさえ捨てることもかまわない生き方をしてきた私としてはなかなか耳が痛い言葉です。
この本は、このLWTをキーワードにして、アメリカンな主人公が色んな分野のすごい人から人生の成功の秘訣を教わりながら、成長し、いつのまにか成功してたよ、私が成功したのはあの日学んだおかげだ、全く普通の人生だったのにあの日からすべてが変わってしまったよ、トミーありがとう、私は君を忘れないよ、という物語仕立ての自己啓発書です。
まあ、自己啓発書、というのはタイトル見ただけでわかります。問題は書店員のほう。
どこに書店員でてくるんだ、と思ったら主人公のブレイクの職業がしがない書店員。で、直属の師匠であるトミーも書店員。
でもそれだけの設定なんですよね。書店は全然でてこないし、99.9%書店員は関係ない話でした。
唯一出てくるのも冒頭のこんな話。

年末になると各チェーン店が年間の最優秀店員を選び、本部が一名を選出して「ベスト・ブックセラー賞」を授与します。受賞者には、賞金のほか、カリブ海アルバ島への一週間の旅もプレゼントされました。

どうやらこの本の著者の描く「書店員」と、私の想像する「書店員」は、別物のようです。できることなら私もカリブ海に行けるほうの書店員になりたかった。