電子書籍の紙化

http://www.asahi.com/articles/ASGDW4T7ZGDWUCVL00D.html
ソフトバンク孫正義社長が、紙の本は30年後にはなくなっていると宣言されたのが2010年。あれから5年経過しましたが、今のところ紙の本はまだ生存しております。
でもまあ電子書籍もじわじわと少しずつ普及してきていますよね。こういうニュースをよく見るようになって、リアルに実感できるようになってまいりました。
ところで一方、書店の現場では、2014年、逆流現象とも言える面白い事態が進行しました。ネットで連載されているコミックスが、続々と単行本化されて書店の店頭に並ぶようになったのです。
特に多かったのが、講談社のコミックス。DeNAのマンガボックスからの単行本化がやたら多かった一年でした。9月11日に創刊した小学館のエッジスタとか、7月に始まった秋田書店のチャンピオンタップとかもネットコミックの紙化ですよね。
30年後では、まさか!そんなのあり得ない!ってなことになっているかもしれませんが、2014年ではネットでいつでも読めるコミックを、わざわざ紙に印刷しなおして物体化し、書店で売られているわけなんですね。OH!クレイジー
今のところ、紙の雑誌で連載されているものと比較すると、圧倒的に売上に差はありますが、こういう中からヒットが生まれると、コミックのビジネスモデルにも変化が生じる可能性があるのではないかと思っております。
というか、もうすでにヒット作は出てきています。

ReLIFE 1 (アース・スター コミックス)

ReLIFE 1 (アース・スター コミックス)

この「ReLIFE」は無料コミックWEBサイト「COMICO」の看板作品ですが、当店での1巻の売上はすでに3桁に達し、立派にAランク作品並みの売上を記録しています。実際絵もきれいで、全ページカラーだし、話も面白いですね。
でも一番すごいと思ったのは、もともとスマホで縦スクロールして一コマずつ読んでいくスタイルのマンガなのに、単行本ではまるで元が普通のコミックであったかのように、コマ割りが完璧にされてたことなんです。作者もそれについては言及していたけど、いやいやこれは謎の技術ですなー。
うがった見方かもしれませんが、もしかすると、この「ReLIFE」の紙の単行本が売れたのは、「WEBマンガなのに普通に読める」ことにあったのかもしれないですね。
逆に言うと、普通に読めないWEBマンガは、それだけで何か損してるってことなんでしょうかね。