本の同人Asi創刊号「総特集:出版界の最前線 書店・書店員

出版評論サークル・葦書院さん(http://d.hatena.ne.jp/Asi/)の本。これが目当てで文学フリマに行ったようなものです。非常に内容が充実した書店評論本で、とても面白かったです。
メイン特集は、秋葉で今話題のCOMIC ZINの立ち上げ舞台裏を責任者である塚本浩司氏へのロングインタビュー。コミック専門書店という特殊な店舗で、いかに戦っていくかその特殊戦術が披露されていて、大変勉強になりました。そのほかにも、書店員なら絶対笑ってしまう「書店用語 悪魔の辞典」や、書店激戦地区の書店を全部見て回って各店を論評するという「新・激戦地を行く」(第一回目は津田沼)もよかったです。
2号目も楽しみにしています。なお、この本は、COMIC ZINで残部を販売されるそうですので、ご興味のある方は、お早めに。多分売り切れます。

漫画で何がわかるの〜「学習漫画」の本〜

サークル・くま温泉さん(http://d.hatena.ne.jp/kumaXX/)の本。「マンガ○○入門」系の本を、集めて論評をくわえたもの。ものすごいデータベースですね、これ。最初の100タイトルはちゃんと表紙画像つきで内容とあらすじと感想まで紹介されていて凄いです。ところでこれ読むまで存在を知らなかったんですが

いま出版が危ない!!―マンガでわかる再販制度

いま出版が危ない!!―マンガでわかる再販制度

こんな本があったんですね、紹介してくださってありがとうございます。それにしても発行元が講談社って…、なんというプロパガンダ

ティーンズラブを知るためのガイドブック

サークル・前途洋々だ会さんの本。「絶対恋愛Sweet」「恋愛天国」「恋愛白書パステル」といったティーンズラブの雑誌および作家さんについて分析・紹介してくれている本。ボーイズラブに比べてもマイナーなジャンルだし、これまで深く調べたことが無かったので非常に興味深く読ませていただきました。特に雑誌別レビューに関しての分析は出色の出来で、素晴らしすぎます。ただの作品論としてだけでなく、ちゃんとマーケットについての記述もあり、「本当はHな(だけじゃない)ティーンズラブ」のほうには、これらTLコンテンツがケータイコミック市場で、下手するとコミック初版分よりも多いダウンロード数を稼いでいることなどが記載されていて、ますます感心しました。これはお買い得でした、本当に。

腐男子にきく。

吉本たいまつさんの本。男子なのにBLを読んでいる「腐男子」の実態を調査したアンケート&インタビュー本。体裁は軽い感じなのに、よく読むと意外にもジェンダー論的な重めの内容がふくまれてます。特に質問12「あなたは、あなた自身の性的志向をなんだと感じていますか?」のアンケート結果は、ちょっと衝撃でした。