新世紀書店--自分でつくる本屋のカタチ

新世紀書店--自分でつくる本屋のカタチ

予想外に面白かったこの一冊。三部構成になっていて、一つ目が表題にもなっている2年前に渋谷のパルコに出店していた新世紀書店の実況レポート。二つ目はそこでおこなわれたトークセッションのイベント。三つ目がイギリスにある「本の町」ヘイ・オン・ワイに関するレポートです。
実は表題になっている新世紀書店自体に関しては、ただの「本屋ごっこ」で見るべきものは何もないのですが、トークセッションが非常に面白いのです。ダヴィンチの横里編集長の話もとてもよかったのですが、特に大阪屋の鎌垣さんの話がすばらしい。これを読むだけでもこの本を買った価値はありました。前から思っていたのですが、ネット場で情報発信する出版社と書店の人は結構いるのに、一番情報を持っていると思われる取次の方でネットで情報発信される方がなんだか少ないんですよね。書店業界本を割と読んでいる私ですが、取次の方の話をこういうメディアで見る機会はとても少なくて、とても貴重。ブックファースト渋谷店開店の話やABC倒産、ブックファーストの新宿ルミネへの電撃出店の舞台裏なんてなかなか聞ける話じゃないですよ。
ヘイ・オン・ワイのレポートも非常に興味深いものがありました。日本で本気で「本の街」を作ろうとしたら、という企画はものすごく面白そう。私も時機が来たら是非微力ながら参加させていただきたいと思いました。
いい本でした。評価A−