日本のIT業界が、世界の最先端をいっているように錯覚するけれども、本当は世界の趨勢から取り残されているという現実を教えてくれる本です。ゲームには未来が無い、とか、放送と通信の融合などありえない、とか、itunesにまだ勝てると思っている企業は頭が悪すぎる、とか刺激的な言葉が並びます。中でも著作権問題に関する著述では、日本の音楽業界がCCCDを出して失敗したことを例にとり、これからの時代はいかにコピーをしてもらえるかが覇権をにぎる鍵となるオープンソースの時代なのに、日本の法規制や企業の動きはそれと逆行する流れになっていて、これでは世界中から孤立して競争力を保てなくなるだろう、という指摘がなされており印象的でした。このへん、私は疎いので勉強になります。ただし、著者は天才タイプらしく、全て感覚で捉えておられる人なので、文章もロジカルとは程遠くてめちゃくちゃ読みづらいです。もう少し私みたいな頭の悪い人にもわかるように書いてくださいよ。評価B