大手チェーン続々とポイント参入

http://www.asahi.com/book/news/TKY200503070595.html
三省堂がポイントカード導入を発表しましたが、1冊3ポイントとはせこい!商品単価が仮に1000円だとすると、還元率0.3%です。しかも5月と11月しか使えないなんて・・・、サービス悪すぎ!
ちなみに2005年3月現在の大手チェーンのポイント事情は下記の通りです。

  1. 有隣堂 還元率1% アトレカード(JR東日本
  2. 啓文堂 還元率1% 京王パスポートクラブ
  3. Book1st 還元率3% ペルソナカード
  4. リブロ 還元率1% クラブオンカード
  5. ジュンク堂 還元率1% ジュンクNICOSカード
  6. 明屋書店 還元率3% 明屋JCBカード

まぁ、つまり再販とか言いながらも、こういう大手が今でも値引きをやっているわけですから、ポイントカードに関しては本当に有名無実な規制だったと言えます。ここに名前が挙がっている書店チェーンは間違いなく、ポイントカードを導入してくると思われます。しかしクレジット会社からのキャッシュバックを財源にしていたこれらのカードに比べて、三省堂のポイント還元率の低さはある意味衝撃的です。明屋で購入したら10倍もお得ではないですか。
でも、どうなんでしょうか、実際。私はこのポイント還元による値引き戦略については、かなり懐疑的でいます。単純にポイント還元した分、そのまま利益が減るだけで、さらに経営は厳しくなるだけなのではないでしょうか。差別化できる最初のうちはよいですが、ヨドバシとかビックカメラが、10%⇒15%⇒20%お得!というようなポイントの値引き競争を激化させて利益率を大幅に悪化させてしまったように、ただの自らの首を絞めるだけになってしまうのではないかと危惧しています。そして上記のラインナップを見ると実際そうなる危険性は結構あると思うのです。オンライン書店も間違いなく参入しますしね。
しかし、書店ユーザーが今書店に求めていることは、実は値引きではないのではないかと考えています。そりゃ買う側とすれば安けりゃ嬉しいに決まっていますけれども、それよりも品揃えであったり、客注の入荷スピードであったり、店員の商品知識であったり、と本来書店が目指すべき方向性を充実するのが必要なのではないでしょうか。まぁ、上のラインナップの大手チェーンはそれが出来てる店が多いので、文句も言えませんが・・・。
私の店は以前ポイント還元をやっていたのですが、日書連の圧力でポイントをやめざるを得なくなりました。そのときは「他店と差別化ができなくなる。売上もさがるだろうな」と思っていましたが、ポイントをやめても売上には何の影響もありませんでした。確かにクレームをおっしゃるお客様も多数いらっしゃったのですが、結局のところ、大部分のお客様はポイントサービスよりも別のサービス要素で購入店舗を決定しているということがわかりました。単に認知度が低かっただけ、という可能性も否定できませんが、ポイント還元実施で三省堂書店の売上があがるのかと言えば、ほとんど変わらないはずなので、何か別の戦略的な位置づけがないとこれは失敗するような気がします。
あー、何か考えがまとまってないです。また考察します。