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塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

塩の街―wish on my precious (電撃文庫)

「空の中」などで注目されている有川浩のデビュー作を今さら読んでみました。ちょと新井素子の「ひとめあなたに」に似てますね。影響を受けたんでしょうか、と思ってたら、新井素子の「ハッピーバースデイ」の解説が有川浩でした。やっぱ影響をうけてたみたい。評価C+
半落ち (講談社文庫)

半落ち (講談社文庫)

横山秀夫の代表作ということで期待して読んでみました。面白いのは面白いのですが、どうも肌に合わないです。検察と警察の確執とか、マスコミ同士の争いだとか、狭くてスケールが小さい世界の中で生きる男たちの矜持に、全然共感できません。警察小説を得意とする横山氏ですが、こんな世界の男たちの物語を書いてて嫌にならないのかなぁ…。評価B
新装版 坂の上の雲 (2) (文春文庫)

新装版 坂の上の雲 (2) (文春文庫)

日清戦争勃発。李鴻章の北洋艦隊の実態や、大津事件の顛末、正岡子規の俳論の骨子、小村寿太郎という人など、盛りだくさんの内容を大河小説として読ませる力量は本当に天才的で、司馬遼太郎という人は世界的な作家だと本当に思います。評価A
花喰幻燈機

花喰幻燈機

三浦さんの活躍する媒体は主に成年コミック誌なのですが、この画力を持ってすれば、エロなしでも立派に通用するだろうと思います。その三浦氏入魂の一作。前作前々作ともに50冊以上販売していたのに、今回発売されることをチェック漏れしていて入荷がたった3冊。即売切。しまった…。評価B
わが闘争―不良青年は世界を目指す

わが闘争―不良青年は世界を目指す

カリスマ角川春樹の自叙伝なのですが、これがもぉ面白いのなんの。と学会に強力に推薦させていただきたくなる爆笑な内容で、電車内で笑いをこらえるのが必死。角川春樹といえば、覚せい剤で有名になってしまった人ですが、文庫と映像のメディアミックスという手法を作り出し、文庫本にソフトカバーをつけて装丁をカラーにし、横溝正史を発掘してミステリブームを作り、角川映画を作り出してヒットさせ、「読んでから観るか、観てから読むか」という名コピーを作ったいわば出版界の天才です。しかし、この角川春樹、天才にありがちなめちゃくちゃな性格なのです。
まず俺様度合いが押尾学よりすごい。「おれは神である」「おれと一緒にいればUFOを見ることができる確率が高くなる」「おれに強い精神エネルギーがあるからだ」という冒頭部分からして結構キてるのですが「かつておれの脳の資産価値を「五千億円」と試算したメリルリンチのアナリストがいたが、その話を聞いたとき、おれはむっときたものである。向こうはほめ言葉で言ったつもりだろうが、おれの脳はそんなチンケなものではない。桁が三桁違うのだ」
趣味の俳句についても「われもまた 過客なるべし 春の暮」という句を詠んで「おれは芭蕉を超えたことを実証した」と宣言します。
いやー、すごい。水道橋博士にこの本をぜひ取り上げていただきたかった。しかしこういうお兄さんを持つと弟は苦労するでしょうね。振り回されるでしょうから。評価A−