在庫検索機のログデータ活用法

今日は書店的Web2.0な事例(ちょっと違うけど)のご紹介。
うちの店には、お客様が自由に店内の在庫を検索できる端末があります。この端末、ログデータを取っているので、どんな本が検索されたのかあとから参照することが出来るようになっています。
この検索ログデータは、いわゆる売上ベストのデータとはちょっと違っていて、よく売れている本が必ずしも上位に来るわけではなく、多くのお客様が欲しいと思っているのに店内に見つからない本、が上位に来るという性質をもっています。したがって、うまく活用すれば流行の先取りとかにも使えるわけでして、新刊などでこの上位にあがってると、即追加発注!みたいな感じになるわけです。
たとえば先週の検索件数一位は

鈍感力

鈍感力

ぶっちぎりでこの「鈍感力」だったわけですが、これなんかは、いきなり売れまくったのでほとんどの店で欠品してしまい、店内で見つからないから数多く検索されてしまったというわけですね。来週の重版分はがっつり押さえなくちゃ!という話になります。まぁこれぐらいメジャーなタイトルになると検索ログを見るまでもないよという話になるんですが、こういうのでしか発見できない隠れ売れ筋なんかが時々あるので、見ていると面白いのです。
逆に在庫があるのにもかかわらず、検索件数が多いなんてのもあります。これは欲しいと思っているお客様が多くて、しかも在庫があるのに見つけられなかったわけですから、「置いている場所が悪い」ということになり、陳列場所を変更するようにしなければなりません。
でも一番楽しいのは、随分と昔に出た本が検索上位にあがっているケース。たとえば、先週の検索件数の第十位は
香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

香水―ある人殺しの物語 (文春文庫)

で、これは3年も前に出た文庫です。見慣れないタイトルがあると、何故これが検索されてるんだ??と話題の情報ソースを調べることになります。ちなみにこの「香水」は映画「パフューム」の原作で、先週公開されたばかり。そしてテレビでセンセーショナルなCMをやっていたから、が正解。
ちなみに、正解がわかっていなかった私。なんで書店員のくせにそんなことも知らんのだ!と、多数の先輩・同僚・後輩からお叱りをうけました。すんません、精進します。