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地球温暖化に伴う深刻な影響についてアルゴア氏が著した本。世界的に有名になったこの本ですが、読むと絶望的な気分になってきます。環境を守るためにあなたにもできる10のこととして、次に項目が挙げられています。

  1. 省エネルギー型の電化製品や電球に交換しましょう
  2. 停車中はエンジンを切り、エコドライブしましょう
  3. リサイクル製品を積極的に利用しましょう
  4. タイヤの空気圧をチェックしましょう
  5. こまめに蛇口をしめましょう
  6. 過剰包装、レジ袋を断りましょう
  7. エアコンの設定温度を変えて、冷暖房のエネルギー削減をしましょう
  8. たくさんの木を植えましょう
  9. 環境危機ついてもっと学びましょう。そして学んだ知識を行動に移しましょう
  10. 映画「不都合な真実」を見て地球の危機について知り、友達に勧めましょう

最後のやつとかは、単なる宣伝のような気もしないでもないのですが、いずれにしてもたったこれっぽっちのことしか出来ないのでしょうか我々は。問題の大きさに対して、出来ることがあまりにも小さすぎて、この問題を個人の問題に還元するのはそもそも無理があるのではないかという気がします。だからと言ってあきらめたらそこで試合終了なのですが。

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

18万部売れた「不都合な真実」よりも、実は売れております(23万部)この本ですが、非常に衝撃的でした。ここ数年で一番衝撃的だったかもしれません。環境問題を考えるなら「不都合な真実」は読まなくてもいいけど、これは読んだほうがよい。次々とこれまで常識と思っていたことが覆されていきます。要約すると、

  • リサイクルは、むしろ環境に悪い。リサイクルをするのには膨大なエネルギーが必要。そのため、むしろ環境を悪化させている。リサイクル⇒環境にやさしいというのは、単純な論法なので素人にはわかりやすいから、だまされる。
  • ダイオキシンは、猛毒ではない。学会ではすでに常識になっているこの事実が世間ではそうなっていない。そのため、無駄な処理施設建設などに莫大な税金が使われたりする。あほか。
  • 温暖化による海面上昇は極地の氷が溶けたせいではない。南極の氷床はむしろ増えている(ここはアルゴア氏と逆のことを言っている)。海面上昇は、温暖化により水温があがって水の体積が増えているためである。
  • 京都議定書を守っても温暖化防止にほとんど何の意味も無い。温暖化に対する京都議定書の効果を計算すると0.007%しかない。これは本来1度気温が上昇するところを、京都議定書を守れば0.993度に抑えられますというもの。ほとんど無意味。しかもそれすら日本は守れそうに無い。
  • 森林は二酸化炭素を吸収してくれない。プラスマイナス0である。多くの日本人が誤解している。森林が二酸化炭素を吸収してくれるのは、若木の成長期のみ。あとは止まる。枯死したり切られたりしたら、吸収した分を排出する。
  • とにかく、今の環境問題に対するスタンスは科学的な間違いだらけだし、根本的におかしいことが多い。温暖化について、個人がどれだけ努力してもほとんど無駄。発電所が発電量を落とさない限り、日本という国の総量で排出する二酸化炭素は変わらない。ペットボトルを全国民が一生懸命リサイクルするよりも、トヨタの生産する車を0.1%減らしたほうが環境にはるかに優しい。そういう科学的な視点が環境問題には決定的に欠けている。
  • 温暖化の心配をして大して効果のない温暖化防止策にお金をかけるぐらいなら石油の枯渇の心配をしてそっちの準備をせよ。石油はあと30年で枯渇する。社会システムをすべて石油に依存している現在のエネルギー事情のまま30年後を迎えれば、食料すら生産できずに30億人の餓死者がでるだろう。石油が枯渇するのはもう明らかだし、石油が無くなれば、燃やすものがなくなって温暖化も止まるのだから。

とまあこんな感じです。すごいことを聞いてしまった…。30年後、どのようにして生き残ればいいのでしょうか。少なくとも本屋やってる場合じゃないな。