ノウハウゼロからの リサイクル書店開業のススメ!

ノウハウゼロからの リサイクル書店開業のススメ!

先月から今度オープンするお店の開店在庫リストを作成している。通常なら、出版社や取次などに外注してしまうことが多いのだが、品揃えを特殊なコンセプトにしたため、手作業で一品一品吟味して見ていくという無闇矢鱈に時間をとられる作業をずっとしている。残念ながら自社のシステムがこうした作業にあんまり当てにならないので、もっぱらアマゾンで検索してヒットしたリストを見ることになってしまった。部下は、楽天を見て発注をしているようなのだが、私のように商品知識があまり無い者にとっては、やはりアマゾンのほうがありがたい。検索したキーワードに対して売上順でリストが出てくるだけでなく、「この商品を買った人は他にこんな商品をチェックしてます」というリストが付加されているのがアマゾンと他社の決定的な違いだ。なんて便利な機能なんだろうといつも思う。ところが、この機能が実装されているネット書店は私の知る限りアマゾンだけなのだ。検索されたものしか基本的には表示されないネット書店にあっては、すべて「目的買い」という予定調和の中に納まってしまう傾向が強い。そんな中、ショッピングの楽しさを表現する「意外性」と「発見」の要素を満たすこの機能は、「となりに並んでいる本が気になる」というリアル書店の楽しさを、唯一表現できるものではないかと思っている。単純に技術力や資金力の問題で実現不能なのかもしれないが、この機能はネット書店において必要不可欠な機能だと思っているので、他のネット書店でも実装してくれよ、と私は言いたい。
話を開店在庫の発注に戻すが、大阪の難波にSTANDARDBOOKSというこれまた品揃えがかなり特殊な店舗がある。今は随分と普通の店舗に歩み寄ってきた感じがあるが、オープン当初の品揃えのマニアック度はものすごかった。よくぞこんな本を集めたものだと感心したものだ。この店の開店在庫も3人がかりで作って数週間かかったらしい。今、自分が何年かぶりに開店在庫の発注をしていて、その苦労と努力が、今、ようやく実体験として理解できる。発注って、本来はこれぐらい時間を使ってもいい仕事だよね、と自分に言い聞かせながらやっている。つらい作業だが楽しい作業でもある。
ところでこのリサイクル書店開業のこの本は、そんなさなか、「発見」してしまった本である。でたばかりの新刊だが興味があるので読んでみようかと思う。