有頂天家族

有頂天家族

本屋大賞候補作。最初から最後までどんちゃん騒ぎを繰り広げている楽しげな小説でした。まあしかしどんちゃん騒ぎというものは終わってしまえば虚しいもので、この作品の読後感も、少々それに似た感慨を抱かぬでもありません。古都京都を舞台に、有象無象の魑魅魍魎どもが血沸き肉踊る活劇を繰り広げるという話は、森見さんの得意とするところではありますが、何となく今回の作品は、やっていることはこれまでより派手だし設定も相当非現実な夢の世界にトリップした話なのに、幻想度合いがこれまでの作品に比べて微妙に下がってしまっているような気がするという、実に不思議なお話でした。やっぱあれです、狸が主人公なので、不思議が不思議じゃなくなるんでしょう。もし主人公や脇の登場人物があやしげな京大生とかで、同じ活劇をやっていたらと想像すると、やはり怪しさは倍増するわけで、今回京大生が全然登場しなかったのは、個人的には少々残念でありました。
明日は結婚式に出席するため、京都に行きます。へそ石さまでも見物に行ってみようかしら。