はじめての神保町

はじめての神保町

はじめての神保町

私が初めて神保町に行ったのは学生時代の夏休みのことでして、当時の私は「神田の古書店街はすごいからいっぺん見て来い」という先輩の言葉に一念発起して上京し、「ここが有名な神田かぁ!」と山手線の神田駅に、降り立ったのでした。
もちろんですが、古本屋街など神田駅周辺にあるはずもなく、あれれ??話が違うじゃないかと、結局神田駅から神保町まで炎天下を延々と歩く羽目になり、めちゃくちゃ遠くて疲れたことを覚えております。なんてステレオタイプな私。「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり」という、徒然草二十五段の言ってることは本当だと思います。
さてさて、そんな私にも強い味方、この本があれば安心!な神保町のガイドブックが発売されましたので、今日はその紹介です。
今までも毎日ムックとかで神保町古書街のガイド本はいくつか発売されていましたが、古書店のディープな世界がよりディープな感じで誌面に紹介されていたものが多く、「本のことを知らねえシロートは神保町に来るんじゃねえ」的なオーラが漂っていて、ちょっと敷居が高いというか間口が狭いというか、一見さんお断りな雰囲気が全体から醸し出されていたせいで、ちょっと行きづらい感じがあったのは事実です。
この本がこれまでの本と違って素晴らしかったのは、若い女性ならではの感性で作られた神保町のガイドブックというところなんです。実際、神保町は「おじさんの街」と呼ばれるぐらいの通行人のおじさん比率の高い町だったのですが、この本によると最近は若い女性の比率があがってきており、町の様子も様変わりしつつあるのだとか。神保町って、知的だしモダンだし面白いものもいっぱいあるし、食べ物のレベルも高いし、ぶらりと散歩するのに最適な街じゃないですか、とこの本は提案しています。

世界中の本が大集合する書店街、うっとり珈琲&がっつりフード、かわいくて渋い専門店、はしご覚悟のカレーショップ、おもしろびっくり体験スポット、デジカメ片手にぶらり旅…

と帯にあるのですが、まさにそんな感じ。このガイド本、そんでもって中身も非常に充実しており、軽いけれども味は濃厚。それぞれの店舗やスポットを紹介する文章も愛が感じられ、神保町ってまだまだ行った事のないところでも面白そうなところがいっぱいあるんだなぁ!と本を眺めているだけで楽しくなってきてしまいます。山関連の本の品揃えが凄い書店というページに、茗渓堂、悠久堂書店とともに書泉グランデの2Fの凄さも紹介されており、行った事があるのに、これまで気にせず素通りしてた!という箇所もあって、ちょっとこの本のクオリティには感動いたしました。
今年も神保町ではブックフェスティバル(http://jimbou.info/news/book_fes.html)が今月末に開催されますが、このガイドブック片手に参加するのも楽しいのではないかと思います。