世界から猫が消えたなら

世界から猫が消えたなら

旅猫リポート

旅猫リポート

本気で忙しかった1月後半を何とか乗り切りました。今年は何とか本屋大賞ノミネートを期間内に読破してみようと思ったのですが、既に厳しいです。
今日は、最近売れているらしい川村元気さんのこの本を読んでみました。
書き出しが「死ぬまでにしたいことは”10”もなかった。」で始まるこの小説、もうすぐ死んでしまう運命の主人公が、余命を1日伸ばしてもらうかわりに、世界から何かが一つ消えてしまうという契約を悪魔から持ちかけられ…、という話です。
何となく『KAGEROU』を想起させる文体とテーマに、有川浩さんの『旅猫リポート』にも設定が異様に似ていて、軽く眩暈をおぼえましたが、何だかんだ言って家族モノに弱い私は、涙腺が崩壊したのでした。
読書仲間のKEYさんにも貸してみて感想を聞いてみたのですが、「ござるは無いっすよ、ござるは」と低評価。「旅猫と違って文体が軽く上滑りして話に入り込めませんでした」と言われる。いや本質はそこじゃないと思うんだけど、そう言いたくなる気持ちもわからんでもない。明治以来の伝統がある本邦の猫小説としては若干きついものがあったかもしれない。
でもこの本読んでるとき、自分が死ぬときになったらどうするだろうということを、いろいろ考えました。私ももう年齢的に、どうやって生きていこうと考えるより、どのように死んでいくのだろうと考える方がリアリティがあるし。
悪魔に囁かれても私ならおそらく何も消さないでそのまま死ぬことを選ぶだろう。では、明日までの時間をどう使うであろうか。それは今生きてる時間とどう密度が違うのだろうか。
この本読んだあとに読むべきは『エンディングダイアリー』になるのかな。やっぱり。