ローマ人の物語

今日、まっすぐに立てないぐらいの込んでいる満員電車の中で、
頑なに立ち読みをやめず、ガードした文庫から目を離さないOLがいたので、
何を読んでいるのか気になったのですが、待て、推理してやれ、と思い、
彼女の服装、年齢、まとっている雰囲気、熱中度から判断して、
おそらく「十二国記」に違いない、と結論したら、やっぱりそうでした。

ローマ人の物語 (12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (12) ユリウス・カエサル ルビコン以後(中) (新潮文庫)

私がいま車内で読んでいるのは「十二国記」ではなく、「ローマ人の物語」なのです。これは傑作とかいうレベルを超えていますね。
新潮文庫版で12巻目。ついにカエサルが暗殺されてしまいました。

それにしても塩野七生は、これを一次資料から書き起こしているのです。
驚嘆すべきすさまじい仕事です。読めることを感謝しなければならないですね。
西洋史には疎いので、書かれてあることすべて新鮮な驚きに満ちているのですが、
ルビコン以後のカエサルの評伝は、あんなに面白かったハンニバル戦記や、
マリウス、スッラの時代よりも面白い。
カエサルという人は、軍事的にも傑出した才能を持ってたけど、政治経済面では
まさに「天才」という名にふさわしい存在だったことがわかります。すげーよ。
日本で言えば、信長の軍事的才能と秀吉の経済的才能と家康の政治的才能を
足して2かけたぐらい?いや、もっとかな?
東洋で言えば匹敵するのは曹操ぐらい?そういえば、曹操カエサルって似てるかも。

いずれにしても至福の読書。
まだ完結してません。