ハウルの動く城

早速公開日の朝一で観にいきました。劇場の入りは半分ぐらいで結構いい席に座れました。パブ露出が全然ないので公開の盛り上がりには欠けますが、逆にラッキーでした。
映画の出来はと言えば、普通に面白かった、ぐらいでしょうか。魔女の宅急便よりはやや面白い。どう考えても宮崎アニメとしては「異色作」の部類で、レベルで言えば「佳作」と「秀作」の間ぐらい。
というか、本来ならそんなに言うほど面白くないはずの物語が宮崎駿マジックでかなり無理やり面白くさせられているという印象です。さすが宮崎。どこをどう改変したらあんな風に面白くなるのか、原作もちょと見てみたい気がします。
とは言え、「千と千尋の神隠し」同様、今回も後半がかなりグダグダで、最後なんかは「これでいいのー!?」と劇場の観客の顔はみんな狐につままれたような顔になってました。
ソフィは結局、呪いはどうでもよかったのか?
カルシファーは、契約はどうでもよかったのか?
サリマン先生は、一体何がしたかったんだ?
カブの正体って、ちょっとあんまりじゃないか?
ハウルのやってた事って、結局無駄だったのか?
というツッコミや、謎は山のようにあるのですが、多分そんなことはどうでもいいのでしょう。私もどうでもよくなってきました。

ちょと興味深いのは、この映画における敵味方の設定です。
ハウル側の構成は、老婆(ソフィ)・老婆(荒地)・こども(マルクル)・こども(カル)・プー太郎(ハウル)と、いわば社会的弱者の連合軍です。ソフィも帽子屋やってた頃は、社会的弱者ではなかったのですが、無力化した瞬間にハウル側につきます。荒地の魔女も同様です。
敵の構成は、キャリアウーマン(サリマン先生)・王様・軍、などのやり手の社会的強者です。
物語の構造としては、社会的弱者の寄せ集めが、社会的強者に挑んでみたものの、やっぱりダメで、結局最後は■■■■■■なんていうのが実は■■に■■りして、無理やり大団円てな感じでしたので、所詮弱者は弱者同士平和で幸せに暮らしときゃいいんだよ、強者に挑むなんて無駄無駄無駄ぁーという身も蓋もないお話になっていたのでした。なんかすげー結論だな。評価B−