なんとズッコケシリーズは本50作目をもって終了。20年ぶりに読みました。最後は涙目になって読了。最後まで面白かったです。私の読書体験の原点とも言えるシリーズで、最初に本屋で立ち読みしたのが「ズッコケ心霊学入門」でした。那須先生ありがとうございました。
那須先生によると、来年にズッコケ中年三人組ということで四十歳になったその後の彼らを書くんだそうです。ハチベエがコンビニ店長、ハカセが中学教師、モーちゃんはキャバクラ通い、と聞いていますが、なんだか「劇画オバQ」みたい。これも楽しみです。評価B+
「人口減少経済」の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム

「人口減少経済」の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム

今年最高のビジネス書と言われるだけあって、非常に勉強になる内容。これを読んでいる人と読んでいない人では、おそらく今後の人生設計も大きく変わるはずです。マクロ経済学すごい。経済の素人の私にはかなり目からウロコな話も多く、公共投資の拡大が経済規模を縮小させるなんて話は、初めて知りました。このメカニズムは全国民必須知識なのではないでしょうか?
うちの会社も毎年毎年売上前年比100%を越えるのが当たり前、みたいな予算組をしており、社内の経営戦略的の発想の前提がすべて拡大思考になっているのに違和感を感じ始めたのが約三年前。人口縮小が始まったらこの手法は絶対に通用しないだろうという直感があって、こういう本を探していました。ばっちりでした。
この本によると経済の縮小が始まるのは2010年ごろで、日本の特殊な人口構成により、ものすごいスピードで経済の縮小が進行します。私はそれが需要の消失による縮小だと考えていたのですが、何とそうではないらしく、供給の喪失によるものなのだそうです。つまり、労働者人口が激減するために、満足に仕事をこなせなくなる時代がくるわけです。本屋で例えれば、たとえ収益店舗であっても、店員が集まらなくて店をあけることができないから、閉店します、みたいな感じでしょうか。すごい時代ですね。
公共事業も激減するそうです。それもやりたくてもやれないという形になるそうです。今は、公債発行でやってますが、人口縮小経済では貯蓄率が大幅に下がる結果、公債が売れなくなる、したがって限度額がおのずから決まる、らしいです。もちろん年金制度は崩壊です。それはさすがに分かっていましたので、年金は貰えるとは全く思っていませんでしたが。
でも、これがマクロ経済的に見て、必然的に30年後に起こる日本の姿なのです。これは読んでおいて正解でした。いい本でした。評価A
ホムンクルス 4 (BIG SPIRITS COMICS)

ホムンクルス 4 (BIG SPIRITS COMICS)

日本のマンガ表現もここまで来たかと驚愕した④巻です。絵がすごすぎです。もちろんCGを使っているのでしょうが、言ってしまえばモノクロ二次元の世界にトーンテクだけでもこれだけの映像を見せることが出来るというのは本当に衝撃です。かつてキャメロンの「アビス」や「ターミネーター2」の液体金属の表現に驚きましたが、それをマンガでやっているのですから!これは⑤巻以降も目が離せません。評価A−
金魚屋古書店出納帳 上 IKKI COMICS

金魚屋古書店出納帳 上 IKKI COMICS

金魚屋古書店出納帳 下 IKKI COMICS

金魚屋古書店出納帳 下 IKKI COMICS

金魚屋古書店 1 (IKKI COMICS)

金魚屋古書店 1 (IKKI COMICS)

金魚屋が小学館に引っ越してきたのでまとめて購入。こういう人情話には弱いので結構泣きましたが、あまり好きなマンガではありません。昔読んだ土田世紀編集王」の連作短編バージョン+古本業界知識マンガという印象でしょうか。「編集王」は好きだった私が、金魚屋にさほど惹かれない理由はよくかわりません。
私の世代では、やはりマンガというのは今でも大きな力を持っていて、この金魚屋シリーズも充分ノスタルジーに訴えかけきます。しかし今の子供たちの世代ではマンガは既に共通言語から外れてしまってますし、今後はマンガを世代共有のノスタルジーとして捉える感覚は主流にはなりえなくなっていくんでしょうねぇ。評価B−