カルコス本店

chakichaki2004-12-31


名古屋から20分という至近距離にありながら、地方都市の香りを色濃く残す岐阜のカルコス本店に行ってまいりました。カルコスと言っても、岐阜近県の方以外には、あまり知られていないと思いますが、岐阜を中心に10店舗近くチェーンを展開している書店チェーンです。
このカルコスの公式サイトhttp://www.culcos.com/が、結構挑戦的なことを書いているので、どういう店をやっているのかと興味を引かれて実際に見に行くことにしたのでした。サイトではカルコスの売り場の特徴がいくつか書いてあって、なかなか面白そうなのです。①有線は流さずスタッフ自選BGMを流す。②座り読みコーナーがある(仕切板つき)③平台にもスタンドにも出来る可変型什器。④カテゴリーゾーニング⑤広い通路幅⑥棚管理は現場スタッフにすべての権限⑦壁面什器高は3000。うーむ、なかなかよさげじゃないですか。一番の驚きは経常利益率が4.5%という驚異的な数字をあげているところなのですが、どの辺にその秘密が隠されているのでしょうか。では行ってみましょう。
岐阜の駅から車で15分、路線バスも走っていない長良川の橋を渡った幹線道路沿いにその店はありました。200坪ぐらい×2層の建物です。おおー、駐車場はほぼ満車です。人気のようです。では実際に入ってみましょう。
1階は雑誌に文芸書、文庫、児童書という、オーソドックスな売り場です。カテゴリーゾーニングとか大げさに書いてましたが、いたって普通。2階は文房具売り場が手前にあって、アート、コミック売場があるという構成になっています。
まず、ウッとなったのが店内の静けさ。あれ?自慢のBGMは?と思ったら、売り場の隅の方でかすかに鳴っていました。メロディー聞き取れません(泣)。高価なスピーカーが泣きますよ、これじゃぁ。
次にウッとなったのが、店内の暗さ。これは電気代を節約しているのでしょうか?明らかに暗いのですが、岐阜の人は暗闇でも目が見えるのでしょうか?階段の下の棚なんて「暗がり」としか表現できないのですが、いいのでしょうか?

そして衝撃的だったのが、メンテナンスレベルの低さ。というか、ちらかりっぷり。これは汚い…。別の本が別の本の上に載っかってるわ、棚に並んでる本の上に横に本が置かれているわ、スリップが床に散乱してるわ…、こんなにひどいのは自分のところの店を見たとき以来かも…。要は、売り場整理をしている人がいないわけです。そもそもカウンターの人合わせても一階に3人、二階に2人しかいません。売場広いのに…。
二階のコミックのパックにも驚きました。ここはシュリンク機を使わず、全部ビニールテープの手巻きの模様。しかもそのビニールが黄色いので、背表紙がすごく見づらいのです。
これ、ダメでしょう!少なくとも私が店長なら絶対にやめさせるのですが。
というわけで、経常利益率4.5%の秘密は、下記によるものと推測されます。
①人件費はかけない。(売場メンテナンスなどやらなくてよろしい)
②無駄な設備投資はしない。(シュリンク機など必要なし!)
③家賃ははてしなく安く。(バスも走ってない所だからこそ駐車場も広く作れる)
ランニングコストは抑えて!(電気代も節約だ!)
つまりこのカルコス、コスト抑制型の鬼のような店なのでした。働いている人は大変だろうなぁ。現場が疲弊する分、4.5%という経常利益を出せるのでしょうが、岐阜の人はこんなお店で満足されているのでしょうか?だって400坪ある店内に、コメントPOPが横山光輝三国志1タイトルにしかついてない店ですよ。経営的には優秀なのでしょうが、何かちょっと違うよなぁという気がしたのでした。
総合評価50点。