貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!? (PHP新書)

貧乏クジ世代―この時代に生まれて損をした!? (PHP新書)

香山リカが私たち団塊ジュニアの世代を書くというので期待して読んだのですが、分析の浅さと甘さにがっかり。
確かに「共通したいないことが唯一の共通した特徴」と逆説的に言われるように、団塊ジュニア世代は一括りでは非常に捉えづらい世代ではあります。
でもね、確かに未来に希望は持ってないし、究極的に自分のことしか信用してない私たちだけれども、貧乏クジを引いたと言いながら、そんな自分たちに結構プライドもってるんですよねー。人には言わないけど。そのへんの屈折感を分かっていない限り、この本を読んでも半分も団塊ジュニア世代を理解できたことにならないでしょう。まー、精神科医なので、そもそもそれを病理として捉える出発点からして間違ってるんですけどね。
下流社会のほうが統計的で面白かったなぁ。評価C
必笑小咄のテクニック (集英社新書)

必笑小咄のテクニック (集英社新書)

たまたまはてな人力検索
question:1136471806
という質問があったのですが、まさにそういうことを扱った本です。著者はご存知ロシア語通訳の米原万里さん。おそろしく頭のまわる方で、当意即妙の通訳ってのはこの頭脳をもってしないと出来ないものなのだということがこの一冊だけからでもわかるのですが、この本はいつもの文化論的なエッセイではなく、小咄の笑いの構造を分析し類型化した教則本です。数多くの小咄の例が引かれていてそれを読んでるだけでも面白いのですが、11種類存在する小咄の笑いのパターンを解説した章末に、練習問題がついていているのです。つまり笑いの構造を理解できたのだからもうご自分でも小咄を作れますよね?という著者から読者への挑戦状なのです。

「ママ、あたしこの川で泳ぎたい。いいでしょう?」
「ダメ!絶対ダメよ。危険なんだから、この川は!」
「だったら、パパはなぜ泳いでるの?」
「パパには、???????」

こういうのが即座に答えられるようにならないとダメらしい。私は落第です。評価B+

廃墟や軍事遺跡、珍寺、あやしい城にB級スポット、バカ建築、など、パラダイス的なものが大好きな方のための雑誌が創刊されました。日本の異空間探検マガジンと銘打たれています。勿論即購入。オールカラーなのが大変素敵です。ただ残念だったのは、今回掲載されていたネタほとんど全てが、すでにネットで公開されているデータベースを誌面化したものに過ぎなかったので、私にとっては「みんな知ってる」物件ばかりだったってことでしょうか。ですが、いつ消えてしまうか分からないネット上の財産を、こうして紙に残してくれるだけでもとても安心です。当然次号も買います。発売日未定って書いてましたけど。評価B
日本廃線鉄道紀行

日本廃線鉄道紀行

そんな私なのでもちろん廃線跡は好きなのです。廃線じゃなくても城東貨物線みたいなのも好きです。生瀬から武田尾までの福知山線の旧線は何回歩いたことか。懐中電灯無しで夜に行くと相当こわいです。評価C−